SSS
俺は黒澤先生と一緒に理事長室の前まで来た。校長室の隣にあるようだ。
「失礼します、黒澤です。鳴海君を連れてきました」
「失礼します」
部屋の中は綺麗で広かった。応接スペースもある、奥の机のところに裕子さんが座っていた。
「ありがとう先生、2人共そこに座ってくれる?」
応接スペースにあるソファーに先生と並んで座る、向かい側に裕子さんが座る。黒澤先生からいい匂いがしたのは俺だけの秘密だ。
「さて隆君、この学校はどうかしら。気に入ってくれた?」
「学校自体はとても綺麗で気に入りました。友達も1人できましたし。女子生徒ばかりでまだ落ち着かない気持ちもありますが」
「そう、まだ初日だからね。これからなれるわよ。それより叔母さんが隆君にこの学校勧めた日のこと覚えてるかしら」
「覚えてますよ。サバゲーをやれるからって勧めてましたし」
「実はそのことなんだけど叔母さんね、隆君にサバゲーをやってほしいの」
「どういうことですか?」
裕子さんは俺にファイルを見せる。
ファイルには「Secret protection・Secret action・Service squad(秘密保護・秘密行動・奉仕分隊)計画書」と書いてある。
「これは?」
「SSSと名付けた分隊なんだけど。表ではサバゲー部、裏では学校の秘密保護や生徒の調査、例えばいじめの有無を調べたりするの。奉仕として学校の仕事を手伝ってもらったりもするけどね」
「理事長、生徒が行うには危険ではありませんか?秘密の保護など生徒に行わせていいのでしょうか」
話を聞いていた黒澤先生が言う。確かに俺も同じことを考えた。秘密が逆に漏れやすくなったりするのではないだろか。
「秘密の保護と言ってもやってもらうのは情報が漏れた時のその始末の手伝いよ。漏洩を防ぐのは校長と私の仕事。それにいじめの調査の点では生徒視点のほうが発見が早いわ」
「なるほど、それでは分隊員の選出はどうやって?」
「私に校長の面接かしらね。スカウト自体は隆君に任せるわ。やってくれるかしら?」
裕子さんと黒澤先生が俺を見る。危険な仕事になるかもしれない。だが俺の考えは決まった。
「分かりました。鳴海 隆、お受けいたします」
会話文ばかりで読みにくいのは仕様です。・・・嘘です、すいません