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【童話】ペペ、おさんぽにいく

作者: なみあさむ
掲載日:2026/03/18

 ぺぺは、かみなりさまのこどもです。


赤いもふもふのかみに黄色くてかわいいつのが1本生えていて、黄色と黒のしましまパンツをはいています。


ぺぺのつのには、ほしのように見えるもようがあります。なので、ともだちからは「スターぺぺ」なんてよばれることもあります。


 ペペがすんでいるのは、とんがり山の上の空。くもの上に、黄色と黒のしましまの家がポツンとたっています。




 ペペは、りっぱなかみなりさまになるためのしゅぎょう中です。


ピカピカ光るかみなりちゃんたちのお世話をしたり、おてんとうさまに空やくも、生きものについておしえてもらったりしています。


 かみなりちゃんっていうのは、あの、かみなりの赤ちゃんです。小さなかみなりちゃんたちが大きくなるころ、りっぱなかみなりさまになれるようにがんばっています。


かみなりちゃんたちのかずをかぞえたり、ごはんをあげたり。かみなりちゃんのごはんは電気なんですよ。


“ぼぉーる”や“ふりすーびぃー”(っておてんとうさまが言ってた)であそんだりもします。


 それから、とんがり山にある川までいって、かみなりちゃんが1匹ずつ持っている“ばけーつ”に、水を入れてくるんです。その水は、そう、雨のときにつかいます。




「今日は、おさんぽだ!」


ある日、ペペはいつもよりずっと、おおはりきりでした。 


なぜかって?あさおきたら、おてんとうさまからのおてがみが、くもゆうびんでやってきていたんです。



ペペへ


今日は、かみなりちゃんたちのおさんぽびよりだから、いっておいで。


おてんとうより




 水をとってくるのではなくて、おさんぽ。これは、おてんとうさまの気分しだい。まいにち行ける時もあれば、ずーっと行けないこともあるそうです。


ペペとかみなりちゃんたちにとって、これがはじめてのおさんぽです。




 さっそくじゅんびをはじめます。


 まずは、かみなりちゃんたちにごはんをあげないと。ペペは、ちっちゃなくもにのりました。すいーっととんでいきます。



るんるんたったどぉーんどぉん


おさんぽおさんぽおさんぽだい


スターぺぺのおとおりだ


るんるんたったどぉーんどぉん


おさんぽおさんぽおさんぽだい


ピカッとくもの下の下




 ぺぺがニコニコうたっていたら、ピカーンペカーンと光っているところが見えてきました。まぶしくってなんにも見えません。


そこで、“さんぐらーす”をかけると、ひろくてたいらで、やわらかいくもの上に、かみなりちゃんたちが見えてきました。


なんと、2883匹いるんです!


 その中から、光がすこーしくらくなっている子をさがして、すみっこにあるもくもくもくっとした大きなくものところにつれて行きます。


今日は、459匹でした。


もくもくした大きなくもには、“こんせーんと”が100こついています。


しっぽを“こんせーんと”につなぐと、かみなりちゃんたちはピカピカ光ってうれしそうにしています。たまに、ぐるぐるとまわりだそうとする子がいるから、よーく見ていないといけません。


 そのつぎに、かみなりちゃんたちに“りいーど”をつけます。


水をとりにいくときはいらないけれど、今日はくもの下の下までいくから、まいごにならないようにするために。


「ピア、バナナ色にするのかい?」


「ピイ、“りいーど”をふりまわしたらだめだよ」


「ピウ、走ったらあぶないよ」


「ピエはどこかな、あっまだごはん中だった!」


「ピオ、ピオ、わかったよ。“ぼぉーる”は1回だけね。今日はおさんぽの日だから、いそがなくちゃ」


こんなふうにして、ペペは“りいーど”をつけおえました。




どぉどーん、どぉん!




 ペペがたいこをたたきます。これは、あつまってということ。


どぉーん、どぉーん!


これは、ならんでっていう音。



2883匹のかみなりちゃんたちがずらり。


「みんな、おさんぽのじかんだよ。“りいーど”がついてない子はいない?」



ピーピ!



「いないね、では、いくよー」



どぉんどこどこどぉん、どぉこどこどぉん!



 ペペがたいこをたたくと、白いくもに大きな大きな穴があきました。


「じゃあ、1匹ずつ入ってね」


ペペがそう言うと、かみなりちゃんたちがうごきはじめました。


 ピピピピ!ピーピッ!


どんどんどんどん入っていくから、光のせんのように見えてきます。


 ペペがじっと見ていると、とつぜん、光のせんがきえました。みんな穴に入っていったようです。


ペペは、2883本の“りいーど”をぎゅっともって、シュッと穴におちていきました。



 ふわっとした時、穴の中は真っ白な世界でした。そしてすぐに、ずんと体がおもくなって、大きくてちょっとゴツゴツしている黒いくもの上に立っていました。


 黒いくもの上を、たくさんの光がゆらゆらとゆれています。


 いつも穴をぬけた先にあるのは、ふわふわの白いくも。かみなりちゃんたちがそわそわしているのがわかりました。


 わあ、なんだか足がくもにひっかかっちゃうかんじがするな。


ペペはむねのあたりがもやもやしたけれど、首をぷるぷるふって、かみなりちゃんたちにはなしかけました。


「みんな、だいじょうぶだよ。今から、おさんぽのルールをかくにんしようね」


 ピーピッ?


「そうだよ、おてんとうさまにおしえてもらったおはなしだよ」


1“りいーど”がちゃんとついているかかくにんすること


2黒いくもの下にいくときは、生きものに当たらないように気をつけること


3下の下についたら、すぐにくもの上にもどってくること


4もどれなくなったら、“りいーど”をひっぱってしらせること


「できるかな?」


ピー!




「それじゃあ、おさんぽをはじめるよ」


 どぉーん、どぉーん!


 どぉんどこどこどぉん、どぉこどこどぉん! 


 ピピピピ!ピーピッ!


こんどはみんないっしょにおちていきます。くもの上はくらくなりました。


そして、くもの下がピカピカっと光りました。とんがり山のてっぺんがちらっと見えます。


“りいーど”がぐいっとひっぱられたかと思うと、ひもがふにゃっとなりました。それから、目の前がまた、明るくなりました。


かみなりちゃんたちがもどってきたのです。


すると、白い色の“りいーど”が1本、ピンピン、ピンピンピンピンとひっぱられました。


あ、もどれない子がいるんだ。


ペペはいそいでその“りいーど”をグッともって、よいしょと引き上げました。


「ピヨア、だいじょうぶ?」


ピーイピーイピイ


甘えた声を出しているピヨアをよしよししていると、みんながあつまってきて


ピーイピーイピイ


と大がっしょうです。


「みんな、おさんぽよくがんばったね。ドキドキしたよね。


ぼくも、みんなが見えなくなって、ドキドキしたよ。でもね、ここからも、みんなの光が見えて、ちょっと安心したよ。それに、“りいーど”もついているからね」


ピー!


「よし、じゃあ、あと1回だけおさんぽしよう」


ピー!


「じゃあ、いっておいでー」


どぉーん、どぉーん!


どぉんどこどこどぉん、どぉこどこどぉん!


 こんどは、みんなそろってもどってこれました。


ペペはほっとして、言いました。


「みんな、おかえり!そしたら、“りいーど”をはずすね」


ピー!


1匹1匹、よくがんばったねと声をかけながら外して、2883本の“りいーど”をあつめました。


「それじゃあ、いくよ!見ててね!」


ペペは、グググっと“りいーど”をもち上げて、ぐるぐるぐるぐる、まわしはじめました。


おもっていたよりもおもいな、でも、このためにれんしゅうしてきたんだからとふんばります。


すると、黒いくもがだんだん白くなってきました。


おてんとうさまにおしえてもらったとおりだ、とペペは思いました。


 そして、力いっぱい“りいーど”を、びゅびゅびゅんっとなげました。


くもの下に、いろんな色の“りいーど”が広がっていきます。


レンガ色、空色、バナナ色、みかん色、ぶどう色、はっぱ色、白いくも色。


「これはにじだよ。にじっていうんだよ」


 かみなりちゃんたちにてらされて、キラキラ光りながら、海に消えていくのを、ペペと2883匹はじっと見つめていました。


「かえろうか」


しばらくすると、ペペはポツリと言いました。


ピー!



 家にかえったペペは、おてんとうさまにおてがみをかきました。


おてんとうさまへ


はじめてのおさんぽ、とてもドキドキしました。そして、とてもきれいなようすでした。


 かみなりちゃんたちは、なんだか少し大きくなったような気がします。


おてんとうさま、前に言っていましたね。


おさんぽをけいけんすると、成長するんだって。


明日は、背の高さと重さをはかってみようかと思います。


ぼくも大きくなったんでしょうか。


ぼくもはかってみようと思います。


ペペより




 次の日、自分とかみなりちゃん2883匹の、背の高さと重さをはかったペペは、うーんうーんと首をひねっていました。


ぜーんぜん大きくなってないなーって。


そんなようすをおてんとうさまがほっほっほってやさしくみまもっていたんですって。


おしまい。

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