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お金の力で世界を救ってあげます!  作者: DP
2 交易都市パストラ
84/88

夕餉の支度


異世界転生、俺の場合は異世界転移かな?


これは、俺の産まれた世界──まぁ日本なんだけど──では非常にありふれたものだ。


勿論、現実ではなく物語としてだけど。


多分小説や漫画ではそういった題材を取り扱うものは毎月のように出版されているだろうし、アニメだって各シーズンで最低限一本はそういう題材の話は放映されていた気がする。


そんな世に溢れるほど存在する物語と比較しても、俺程平穏な異世界転移をしている人間っていないんじゃないかと思う。


何せこっちの世界に来てから軽く一か月以上経過しているが、その間巻き込まれたトラブルはグリッドの街の襲撃くらいしかないのだ。


無論こっちの世界に飛ばされたのが最大のトラブルではあるけど、あれは物語ではプロローグ的な部分であるわけで。本編突入後は、本当にアレだけだ。


温泉の件に関しては、単なる自分の不注意でチンピラに絡まれただけだからちょっと違うと思うし。


トラブルどころか重要人物っぽい人間との遭遇もないもんなぁ。オウジサマとかオヒメサマとかユウシャとかセイジョとか。


こっちの世界に来て俺がしたことって後はコスプレ衣装作ったり、そのコスプレ衣装着てくっそ恥ずかしいRPしたり、街を案内したり、寝てる姿まで配信したりだもんなぁ。ぶっちゃけファンタジーらしい内容の配信すら殆どしてないありさまである。まぁ24時間配信し続けているってのはある意味ファンタジーではあるけど。後パストラに来てからは街並みとそこを行きかう人々のおかげでちょっと配信のファンタジーレベルはアップしている。


とまぁそんな感じでファンタジー世界でファンタジーらしくない配信をしつつ日々をのんびり過ごしている(常時映されている事もいい加減慣れてきて、大分気を抜けるようになってきた)俺が今何をしているかというと。


夕食を作っている。


うん、ファンタジー色ないね、てか所帯じみてるね。


セーラー服にエプロン姿だけどな!!!


パストラにやってきてから一週間。その間に生活環境を整えたり、同じアパートメントの住人──テイルさん達と交流を深めたりしつつも過ごし、いろいろ落ち着いてきたのでいよいよ俺は自炊を開始した。ずっと外食だとお金もかかるしね……


で、だ。


リスナーに対してそれを伝えたら、この格好を求められましたよ、ええ。


大したことじゃないし、ちょっと昼間いろいろ動き回ったりテイルさんとかアパートの人と話し込んじゃなったりで衣装作成遅れてるから、コスプレRP(現状当チャンネルメインコンテンツ)が出来てないからな……する事自体は大したことじゃないし。


ただ、


「……なあ、本当にこのアングルのままでいいのか?」

『むしろこのアングルがいいんです』

『エプロン姿の女子高生の後ろ姿、いいよね……』


セーラー服着ているだけで女子高生ではないけどな。


今カメラは、俺の背後にあるテーブルの椅子の上の位置に固定してある。なので、カメラに映っている映像はずっと俺の後ろ姿だ。


ただのセーラー服だから別に背後に露出があるとかでもないんだけどねぇ……リスナーの思考は割と自分でもわかるケースが多いけど、これはよくわからん。


『てか料理しているところだと、正面からでも大体下向いた映像になっちゃうしねぇ』

『料理しているカズサちゃんのおててを映すのはどうでしょう』

『おてて民湧いて来たな』

『クラシ〇の動画かよ』


ああうん、手元映像はもう完全に料理解説動画のアレだよね。俺も自炊始めた最初の頃はクラシ〇やクッ〇パッドにはお世話になりました。


ちなみに俺は自炊はするが別段手際がいいわけでもないので、手元映してもあれだと思います。


『カズサちゃんお腹すいたよ~』

『ごはんまだー?』

「いや先に食べてればええやんけ」


当然、俺が作った料理は俺が食べるわけで、リスナーが食べれるわけじゃない。なにせカメラの向こう側どころか、世界の壁の向こう側だからな。食材もいくつか明らかに向こうにない奴使ってるし(他の料理で使われてたので、すでに食べてはいるものではある)。


それでもタイミング合わせて一緒に食べようとしている層が一定数いるみたいなんだよね。


ま、考えてみれば、オンラインでの飲み会みたいなもんか。俺もVRCでのオンライン飲み会とか参加してたしなー。一人で食べるよりは、みんなとワイワイやりながら食べたいって気持ちはわかる。


「まあでも、もう完成だよ」


なんてことを考えている間にも当然手は止めず、料理は出来上がっている。なにせ異世界自炊初日だ、そんな複雑な料理は作らない。まだ食材とか調味料も理解しきれてないしね。


火力が向こう側で使ってたコンロに比べるとちょっと弱くて時間がかかったけど、これで完成だ。実は俺も結構お腹すいているので、とっとと出来上がった料理をおろしたての食器に移し、テーブルへと運ぶ。


「うし。それじゃ夕飯にしようか」

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