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お金の力で世界を救ってあげます!  作者: DP
2 交易都市パストラ
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ごはんが美味しいこのはいいこと


新たな方針も決定したので、翌日からは早速その方針に沿って動くことにする。


……といっても企画ネタがほぼ日常生活の延長線上でしかないので、やる事はさして変わらないのだけれど。


そもそも、まだ生活の為の道具がいろいろ揃っていない。なにせパストラに辿り着いてまだ4日目。初日は宿に泊まっただけだし、昨日はギルドと図書館だけでほぼ終わってる。一昨日に最低限の買い物はしたけど、家を見つけた後の残り時間で回っただけなので、本当に最低限だ。


なので、本日も買い出しなわけである。リスナーが『今日は買い出しデート(疑似)会か!』とか言ってたけど、まぁそれでいいです。後やっぱり(疑似)を付ける辺りに慎ましさというか陰の者の匂いを若干感じる。


買い出しの目的は、服や食器の買い足し、お値段張るだろうけど小さめのクローゼット、それから調理道具だ。


クローゼットに関しては一応部屋に備え付けの奴があるんだけど、昨日の配信計画でコスプレ衣装が定期的に増えていく事が決まった以上収まりきらなくなるのが目に見えているので。そこら辺に下げておくという手もあるっちゃあるが、配信に映す映像としてどうなんってのもあるし、俺としてもコスプレ衣装がそこら中にぶら下がっている部屋で生活したくない。それに他の部屋ベルダさんとかの人が来た時にもそんな光景じゃ中に入れられないだろう。巫女服はともかく、どうせ今後は露出多めの服も多くなるんだろうし。俺知ってるよ。


調理道具も企画関連だね。料理の企画があるんで、それ用だ。とりあえず最低限の調理器具は揃えようと思っている。


とまあ、それが目的ではあるんだけど。かといって緊急性のある買い物ではないわけで。


何が言いたいかっていうと──いろいろと目移りするのは仕方ないよね? って話。



「おー……壮観だなぁ、これ」


とある店の中。そこに並んでいる商品を目にして、俺は思わず感嘆の声を上げていた。


並んでいるのは……スパイスだ。様々なスパイスが所狭しと並んでいる。


すぐに料理をする気はないし、冷蔵庫の役目をするものも部屋にはないからまだ食材は買う気がなかったんだけど、途中で調味料・香辛料の専門店らしき小さな店があったので、塩とか砂糖あたりの調味料だけはとりあえず買っといてもいいかなーと思って立ち寄ったその結果。


あまりにも見事なラインナップに目を奪われる事になった。


いやぁ、スパイスなどの香辛料に限らず、それ以外の調味料も豊富だ。大部分よくわかんない調味料だけど!


どういうルールになっているのかわからないんだけど、例えば塩のように俺達の世界にも普通に存在しているものは同じ名前になっている。それ以外にもターメリックとか、香辛料の中にも聞き覚えのあるものもあるけど大部分は見知らぬ名前である。見た目的に、あこれもしかして……ってのはあるけど。


まーね、現代社会であって国や地方特有の調味料はいくらでもあるわけだし、この世界でもそうなんだろう。グリッドの時はそもそも食料品店に入る事はしてなかったから気づかなかったけど。というかここが交易都市ってのもあるか。各地の調味料が集まってきているんだろう。


『こんだけ調味料はあるなら、飯が不味いって事はなさそうだね』

『カズサさん、割とそっちの飯美味しいっていってたしね』

『ファンタジー世界って味がタンパクってイメージあるけど、そうでもないんだなぁ』


流れるコメント欄に、俺は頷きを返す。


グリッドの街は比較的味付け淡泊な物が多かったけど味は悪くなかったし、パストラとその近郊辺りの街はむしろ味が濃い目のモノもあった。それに当然当たりはずれはあったけど、大抵の料理は概ね「おいしい」と言えるものだったのだ。


料理の味は重要だ。これまでとは全く異なる生活環境に投げ込まれた俺はコメント欄の皆との交流と、飯の美味さに救われて大きく心身のバランスを崩すことなく生活できてると思う。


正直飯が不味かったら食欲減衰して弱ってたり、最悪メンタルやってたんじゃないかと思う。美味しいごはんがあるだけで、結構活力出るもんだし。


「料理のバリエーションはいろいろできそうだなぁ……」


ここまでいろいろあるなら、自分の口に合うものもいくらでもあるだろう。ただ、概ねどれもどんな味かわからないので、また図書館なりで調べないといけないけど……


『てか、これくらいあるとカレーも作れそう!』

「カレー!」


確かにそうだ! というか少なくとも目に付いた範囲でクミンにカルダモン、シナモンにナツメグは存在しているっぽい。さっきのターメリックも含めて、これはいけるのでは……? 勿論俺はカレーを作った事があるとはいっても当然スパイスからではなくルーなのでカレー粉の調合なんてできないけど、それはコメント欄で皆に教えてもらえばいい。


「カレーか……食べたいなぁ……」

『あかん、目がとろんとしておる』

『これはメシの顔ですわ』

『なんかエロいよね……』

『涎垂らしますか?』


垂らさねえよ、こんな所で。どんだけ食いしん坊なんだよ、俺。本当に食べたいし、思い浮かべたら唾は出て来たけどさ。



でも、当面は無理かなぁ……


値段が、高い。生産量が少ないのか、あるいは輸送費が掛かっているのかがわからないけど、カレーの元になりそうなスパイスは軒並みお値段高めだった。勿論手持ちで買えないほどの値段ではないけど、収入元が限られており更に揃えなければいけないモノがいろいろある現状では、許容できる額ではない。


カレーが高級料理になるとは……日本では庶民の食事の代名詞みたいな存在なのに。


はぁ、と俺は一つため息を吐く。


「価格的に今はちょっと手が出ないな。将来的にお金稼げるようになったら、その時のご褒美として作ろう」

『カレーがご褒美……』

『(´;ω;`)ウッ…』

『購入費用おねだりしてもいいのよ?』

「もし投げ銭もらってもそれは能力獲得に回すよ」


こういう細々としたもので散財してたら、いつまでたっても貯金ってのはたまらないものだしな。頑張る目標が増えたと考えよう。


それからも、いくつか調味料に目を通す。全部を覚えるのは無理だけど、どこかで見たような奴(醤油っぽい奴とかね)とか他にも目についた奴は覚えておいて後で調べよう。


そんな感じで端から調味料を眺めていき、ある一角をちょうど見ている時の事。


「その辺の調味料、欲しいものがあるなら今の内に買っといた方がいいよ」


店主らしきおじさんから、急にそう声を掛けられた。




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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます♪^_^ カレーがご褒美の言葉に笑えるやら泣けるやら…。 昭和初期のお子様かい!(つД`)ノ
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