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お金の力で世界を救ってあげます!  作者: DP
2 交易都市パストラ
72/88

一万人(を大分超えた)記念配信④


「ていうか、いい加減真面目な話というか本題に進むよ」

『さっきまでの話が真面目な話じゃない自覚はあったんですね』

「いや俺的には真面目な話だったけど、皆にとっては違うかなって……。とにかく、本題。今後の配信計画と獲得能力についてだけど、まずは配信計画だよね。その内容によって獲得する能力も変わってくるだろうし」

『だな』


例えば、配信をパストラの周囲の名所とか中心にするなら移動とあと自衛の為の術とか感知系の術を取るべきかなーと思ってるけど、街の中を中心にしたり家の中を中心にしたりする内容ならそれらの系統を取る意味余りないわけで。


獲得するMPだって配信の内容次第で集めるわけで、そういう意味でもまずはこっちが先だろう。


「というわけでね、まずは今後の配信に関してだけど。その前に」

『お、なんだまた重大発表か』

『今度は何の能力が欲しいの』

『<<ドライ>>か? <<ドライ>>だな?』

「ちげーって」


<<ドライ>>はグリッドの街にいる時は確かに欲しかったけど……あれは数少ない服で回さなくちゃいけないから乾燥を早めるために覚えたかっただけで、パストラに越してきて借家とはいえ自室を手にいれ、服も増やせる状態になった今ではそれほど欲しい能力ではなくなった(あったら便利だとは思うけど)。


実際まだ服は増やしてないけど、近いうちに服買い足しに行く予定だしね。


「能力の話だったらさっき<<ボイルウォーター>>の時に一緒に話してるって。そうじゃなくてさ、ウチの配信って平日の昼間は比較的人少ないでしょ?」


ウチの配信の視聴者数のピークタイムは大体夜の8時から日付が変わるくらいまで。まぁ学生やシフト勤務以外の会社員なら日中は配信見れないから当然といえば当然だ。ちなみに朝方は割と人が多い。コメント欄の内容を聞く限り、多分つけっぱなしで寝てるだけで中身無しが多いんだろうけど。


実は元の体の時の配信時間はPM11時~AM1時くらいともっと遅い時間だったけど、こっちに来てから生活リズムが前倒しになってるからなぁ。こっちはテレビとかそういうのもないし、後朝方声かけて起こして欲しいっていうのを割と言われているのもあって以前に比べれば早寝早起きだ。


ま、それはさておき。そう言う事もあってメインの企画は休日か平日夜がどうしても基本になってくる。そうすると日中はそれほどネタがないわけであって……ここを有効的に扱いたくて考えたのだ。


「実はこの平日の昼間の時間でさ、ちょっと働こうと思ってるんだけどさ」


この後、どんな仕事がいいと思うかな? なんて相談しようと思ったんだけど。


『え、カズサちゃん何言ってるの?』

『カズサさんの仕事は配信ですよね』

『働いたら負けだよ、カズサちゃん』

『てか働いたりしたら俺達との時間が減っちゃうじゃん』

『カズサちゃん、駄目だよ。ガード甘いんだから、働いたりしたら危ないよ』

「いやいやいや、俺普通にそっちじゃ働いてたからな?」

『その時と今じゃ状況が違いすぎるでしょ』

『飲食系は客にセクハラされそうだから駄目だよな』

『配達系も配達先で変な事されそうなのでアウト』

『事務職系も上司に手をだされそうだしねぇ』


いやいや、お前ら妄想が激しすぎだろう。というかアレか、なんかその手の類のえっちな方面の本とかを読みすぎなんじゃないのか?


「過保護すぎるだろ。俺そこまでちょろくは……」

『温泉の件もあるし、俺達そっちに直接手を出すことができないんだから、過保護になるのは当然でしょう』

「うぐぅ」


それを言われると、ちょっと反論しづらいんだよな。あの一件は明らかに俺がいろいろな事を甘く見ていたのが原因なので。


「でも、でもさ。働いて現金を手に入れればMP全部そっちに回せるじゃないか? 能力獲得も捗ると思うし……」

『いや、それを考えるならむしろ配信に全力を傾けるべきでしょ?』

『人が少ない時間帯の使い方にしても、配信の準備に充てて欲しいね』

『衣装の作成とかさ』

『今はとにかく登録者を増やす事を考える事だよ』

『2万人ちょっと手前程度のポテンシャルじゃないからね』

『とにかくMP稼いで能力を手に入れてからでいいんじゃない? 現地収入に関しては』

『大体昼間仕事しちゃったら、夜疲れちゃって配信どころじゃないでしょ』

『まぁ疲れてグロッキーなカズサちゃんを見てみたい気もするけど、毎日じゃないよね』



おおう、ある程度否定的意見は出るかとは思っていたけど、ここまで全否定されるとは思ってなかった。

でもなぁ。


「皆だけに面倒を完全に見てもらうのって、申し訳なさがあるっていうか……」


皆が投げてくれるのは本来は自分の他の趣味や、美味い物を食べれるハズのお金なわけで。それを頼っていろいろ好き勝手に使うのはなんか悪い気が……職業配信者だったらそんなの気にしないんだろうけど、俺元が趣味配信者だからな。何のためらいもなく使えるお金がちょっと欲しい。


なんていう小市民的な考えをしながらつぶやいた言葉も、きっちりマイクは拾っていたらしい。コメ欄の皆が反応を返してくる。


『そういやカズサちゃん、お金の使い道とかすごい気にするよね』

『グリッドの街で串焼きの屋台見つけた時にすごいもの欲しそうな顔で見てたもんねぇ。可愛かったけど、切なくもあったよ』

『カズサちゃんはそもそも勘違いをしてるよ』

「勘違い?」

『俺たちはカズサちゃんに喜んで欲しくてスパチャ投げてるってこと』

『そうそう、その使い道に悩まれるより美味しいもの食べて幸せそうな顔してくれる方が嬉しいんだよ』

『さすがに変なモノを買おうとしたら止めるけどね! 壺とか』

「いや、そんなものは買わないけど」


壺はおいておいて、自分が他の配信者に投げ銭をしていた時の気持ちを思い出す。

……そっか、今は俺は逆のポジションにたっているのか。


「……甘えて、いいのかな?」

『勿論』

『まぁ対価は当然頂きますけどねぇ(にちゃぁ)』

「対価って? 俺が出せるものかな」

『そりゃ俺達を楽しませることでしょ、カズサちゃんは配信者なんだから』

『だからカズサちゃんが今する事は、現実みてないでコメ欄見る事だよ』

「そっか。そうだな」


なんか恰好つかないセリフではあるけれど。そうだね、皆がそう言ってくれるなら甘えさせてもらおう。

さっき誰かが言ってたけど、実際の所お金稼ぐにしてもまずは登録者とMPをとにかく増やす事に注力して能力を獲得してからの方がやりやすいわけだしな。



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