表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お金の力で世界を救ってあげます!  作者: DP
2 交易都市パストラ
70/88

一万人(を大分超えた)記念配信②

「とにかく! 話を本題に戻すぞ!」


このまま行くと無限に脱線していって話が進まない気がものすごくするので、俺は強引に話の流れを変えるべく、そう声を上げる。


『といっても、何やるの? 今日』

『以前みたいにいろんなポーズとかセリフ言ってくれるのかな?』

『え、何それ、そんなことやってたの?』

『スッ(切り抜き動画のURLを貼る)』

『さんきゅー。後でチェックしておく』

『今日は何を言ってもらおうかな』

「いや、今日はやらないからな?」

『えーっ! 前回は参加できなかったんだよ俺!』

『遺憾の意を表明する!』

「あーうるさいうるさい、今日はもっと根本的な事を話したいんだよ」


両手で耳を塞いで(勿論相手はコメントなので意味はないけど)そう言うと、荒ぶるコメントがちょっと収まった(流れは速いが)。


『根本的な事?』

「そう。ほら、新しい街にやってきてついに自宅──借家だけど──もゲットしたろ。これでこれからやれることが格段に増えるからさ。今後のチャンネルとしての方向性……いうなればチャンネルの配信内容の方針を決めて行こうと思うんだよ」

『おー成程』

『でもチャンネルとしての方針ってタイトルの通りでしょ?』

『育成計画ね』

『カズサちゃんを立派な女の子に育て上げるってコンセプトだよね』

「違うよ?」


育成計画は確かにチャンネル名になっているからその方針は否定しないけど、女の子として育ててくれなんてそんなコンセプトをたたき出した覚えはないし、言った記憶もない。


「イメージ的には能力の取得方針とか生活の方針とか……要は自分で言うのもなんだがゲームのキャラを育成する感じで考えているんだけど」

『え、だからどこに出しても恥ずかしくない立派なレディに育成するんでしょ?』

『そう、立派な乙女に育てていつかはお嫁さんに──カズサちゃんを嫁に出すなんてとんでもない!』

「いかねえよ! というか話を進めさせてくれ!」


いや、違うな。配信のコメントが好き放題いうのは当然のことで、スルー出来ない俺が悪い。元々零細配信者で全部のコメントに反応していたせいか、勿論今は全部のコメントを追うなんてのは無理なんだけど、突っ込みどころの多いコメントが目に入るとどうしても反応してしまう。明らかな煽りとか荒らしなんかは普通にスルーできるんだけど……スルースキルを鍛えねば。


……できるかな。学生時代から突っ込み体質だって言われてたしなぁ……


まぁ配信者としては悪くない性質かもしれないけど、少なくとも司会進行をやってる時は抑えねば。というか俺以外に進行してくれる人が欲しい。無理だけど。


そもそもこんな事考え込むのも脱線だ。今は当初の予定通りに進めねばならぬ。このまま行ったら朝までやっても終わらない気がする。


「というわけで、だ。今日は今後の方針の決定を皆に相談したい。チャンネルの配信方針と、それと俺の成長方針な。能力としての成長の話であって、女の子としての成長方針じゃないぞ? いいな?」

『おkおk』

『目が据わってきてて草』

『前も言った気がするけどそのジト目で見られるとゾクゾクくるんだよね』


突っ込まない突っ込まない。


「それで、だ。その話をする前に、最初に話しておきたいことがあるんだけど」


ようやく進行できるようになったので、カメラに向けてそう問いかける。


確実に今日の内に確認というか承諾を取っておきたいことがあったからな。内容的には「よい?」『おk』で済むくらいの話なんだけど、前回の作戦会議を考えると終了した時にはいろいろ疲れて忘れそうだから先に言っておくことにする。


そもそも前回の作戦会議はコメント欄せいぜい数十人程度だったから割とすぐまとまったけど今回は……うわ、四千人超えてる! マジか……この人数相手での相談なんて、なかなかまとまらないのが目に見えている。うん、やっぱり最初に確認しとくべきだな。


「あのさ」

『お、何だ何だ、重大発表か?』


いや全然重大じゃない、むしろ軽ーいお願いなんだけど……そう思ったが、その誰かが書き込んだコメントに皆がどんどん乗っていく。


『重大発表かー。なんだろ』

『Vtuberや他の配信者だと、コラボとかグッズ販売とかだよな? あとはメディア出演とか』

『カズサちゃんはどれも無理だからなぁ』

『……最近重大発表とか振りをした推しのVtuberが連続で引退発表しているから、重大発表というフレーズ怖いんだよね』

『強く生きろ……というかその分カズサちゃんを推せ』

『さすがにさっきの話の内容から引退配信はありえんしな』

『重大発表──結婚か! うがが、許さんぞ!』

『さっきのまだ引きずってて草』

『だが……もしかしたら好きな人が出来たと言われたら……脳破壊がががが』


……だめだ、突っ込みがこらえきれねぇ!


「いや、ねーよ。そもそも惚れるような相手にここまで会ってないじゃないか」

『アキラさん』

「あっ……」


あー、うん。そうね。アキラさんは惚れるような要素はあったね。美人さんだし格好いいし。さすがにそこまでチョロくはないので、惚れたわけじゃないけど。


というか、そうだよな、好きな人とか言われて相手を完全に男に定義しちゃったのちょっと不味い。自分の事を完全に女扱いしてしまっている。うん、そう、僕中身は男の子。美人のお姉さんとか大好き。今は可愛い女の子のキャラクターを操作しているだけと考えるんだ。


……心があんまり女側に倒れると、元に戻った時がヤバいからな(戻れるかわからんが)。気を付けねば。


『アキラさん相手にイチャイチャするならあり寄りのありなのでは?』

『むしろ大歓迎です』

『百合営業始まっちゃう?』


なんかコメント欄がどんどん盛り上がってきているけど流して、と。深呼吸してから改めて口を開く。


「全然重大発表なんかじゃないから、軽く聞いてくれ。皆にちょっとしたお願いがあるんだよ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ