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お金の力で世界を救ってあげます!  作者: DP
2 交易都市パストラ
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交易都市パストラ


「ふああー!」

『今度は何見つけたのカズサちゃん』

『いい声で鳴きますねククク……』

『目をキラッキラさせて可愛いなぁ』

『何を見て声を上げてるのか気になるけど、そうするとこのカズサちゃんの姿が見れなくなるジレンマ』

『カメラが二つ欲しい所だねぇ』


残念ながら、俺の使っているVRC仕様のままのカメラにそんな機能はない。撮影者が俺以外にいればそれも可能だろうけど、今の所最初の二人を除いて俺と同じ配信をしているという話は聞こえてこない。最初の二人のウチ一人はあわつべのアカウントがBANされただけなのでこの世界のどこかにいる可能性はあるんだろうけど……向こう側の状況を知りようがないし、運よく合流できても向こうはもう配信できないんだから意味がないよな。


後、今思わず男の頃では絶対に出さないような声が自然と出てしまったけど、これある程度今の体を意識した動きをしたりしているせいかね。


チャンネル名にもある通り"TS少女"というのが売りの一つなので喋り方は無理して直さなくていいとは当初の計画時に言われてたんだけど、偶にそういった意識した言動をするとリスナーの反応が良かったりするので最近はちょくちょく意図してやったりはしてたんだけど……配信内容も平坦だったし、多少は色を付けたくて。


VRC内でアバターの姿に合わせてRPしている連中は、だんだんそういう動きが現実世界側を侵食してきて困ると冗談半分に言っていたけど、そういうのと一緒だろうか。


或いは小説とかでたまにある"精神が肉体に引っ張られる"っていう奴だったりして?


いや前者はともかく、後者だったら怖いな。もし元の姿に戻れた時に酷い事になりそう。


まぁ今の所元の姿に戻れる宛ても、元の世界に戻る宛ても、まったくないんですけどネ。


さて、そんな声を俺が上げてしまった理由だけど、街を歩いていたときに道沿いの店先にくっそ奇妙な形の物体を見つけたからだ。めちゃめちゃ目をひくけど、欲しいかというと絶対にいらないと断言できるようなそんな奴。そんな物体がなんか普通の商品の中にしれっと並んでいたので、目にした瞬間に思わず声を上げてしまった。


これ以外にも、ただ街を歩いているだけで、日本では見たこともなく、こちらの世界に来てからも見たことがないものが幾つも目に入ってくる。さすがは様々なモノが集まる交易都市パストラ。ちょっと歩いただけでこれなのだ、配信ネタはいくらでもありそうで今後に対する期待爆上がりである。


もっとも今は配信が目的ではないので(いや、常に配信はしているのでこの言葉は語弊があるけど)、そっちは映してないし、足を長く止める事もないけど。用途とかが全く思いつかない奴とかもっと近くによって見たい気持ちはすっごいあるんだけど、そんな事をしていたらいつまでたっても目的地にたどり着けないので。


新しい本拠を手に入れた翌日、俺は改めてパストラの街に繰り出していた。昨日みたいに新居周りの地区ではなく、街の中心部に近い場所だ。


──実は当初はそんなにすぐに街の中心部に近づく気はなかった。


様々な人間があちこちから集まり、人種のるつぼと化しているこの街はトラブルも起きやすいと聞く。そんな街の中でも特に人の数が多い中心街では特にその傾向が強いだろう……そう思ってたんだけど、そんな事はないらしい。


昨日、とりあえずこの街で活動するのにあたり、こないだの温泉のような目にはあいたくないのでまず現時点で活動可能な範囲を定めるために、大家であるベルダさんや近隣の詰め所の警備兵さんに聞き込みをおこなったのだ。


それによると、そういった場所だからこそむしろ警備などの配置はしっかりしており、安全なのだそうだ。詰め所が数多く存在し、またパトロールもこまめに行われているため、トラブルに巻き込まれた場合声を上げればすぐに駆けつけてくれるとのこと。また中心部以外でも、"観光客"が多く訪れる場所は同様らしい。むしろそういった者たちが近寄らない居住区の方がリスクが高い所が多いと言われた。


ちなみに、俺の新居周りの場所はベルダさんがいるので安心していいそうである。現役時代は結構有名な実力者だったらしいんだよね、ベルダさん。


そんなこんなで俺は安心して街の中心街を歩いているわけだけど、彼らの言葉通り特にトラブルに巻き込まれる事もなく順調だ。ちょっとだけナンパみたいなのに声を掛けられたけど、彼らも丁重にお断りしたら素直に引いてくれたし。


さて、そんな中心街に俺がやってきた理由だけど、さっき言った通り配信ネタを求めてというわけではない。


今日は、すでに夜のスケジュールは決まっている。登録者1万人超え(もう結構オーバーフローしてるけど)の記念配信をするのだ。そしてその配信をする前にしておきたいことをこなすため、俺はある場所に向かっていた。


その場所は探索者組合(シーカーズギルド)。ファンタジー世界によくある冒険者ギルドに該当する場所だ。




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