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お金の力で世界を救ってあげます!  作者: DP
1.5 はじめての旅路と温泉
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その後の話

「まさか北方の巫女様がちょうど滞在してくれているとは! 本当に助かりました!」

「違いますからね!?」


大変な事になった。


いや、別に再度襲撃があったわけじゃない。あの後新たな怪物が現れるようなことはなく、一時の混乱を超えて街は平穏を取り戻した。そう、()はね。


俺は結局あの後しばらく立ち上がれなかったので、話しかけてくる街の警備隊の人や救助等の手助けにきていた町人と話してたんだけど……そんな事している間に危機が去った事を伝え聞いた他の町人達も集まってきてしまって。


で、そんな面々に対しても伝言ゲームで俺の事が伝わっていったわけだが。


そう、伝言ゲームである。こういった時の伝言ゲームは非常によくない。


気が付けば、俺は巫女といわれるようになっていた。


ちなみに巫女はレイス達を含めたアンデッドエネミーが多い北方の国で、それらを滅ぼすための術式を得意とする職業なんだそうだ。俺が浄霊を行ったことで、そう思われたらしい。


勿論別に北方ではなくても浄霊を可能とする術士は存在しているが、こちらの地方では通常ほぼアンデッドエネミーは出現しないことから数が少ないために大体どこかの街で雇われているのでフリーの術士は少ないし、何より俺の恰好が悪かった。


巫女の恰好は、"白と赤を基調とした、この辺ではあまり見ない服"なんだそうだ。


で、俺がその時着てた服はセーラー服である。


うん、スカートは紺だけどブラウスは白いね。それでタイは赤いね。巫女さんで赤い部分はそこじゃなくて袴部分だけどね!(現代日本と同じなら)


更に言えば俺のこの格好はリスナーのよくぼ……希望したただのコスプレ衣装だけどね!


なので違いますと説明しているんだけど、じゃあどこの出身なのと言われると答えられないため、その結果どうやら俺の正体が"諸事情で正体を公にせず旅をしている巫女"になりつつあるらしい。諸事情ってなんだよ。正体隠す必要があるような職業なの?


とりあえずその話をされる毎に否定はしているけど、もう街の中に大分広がっているからなぁ……無駄な抵抗だろうなぁ。まぁ別に巫女とやらと見られても、さしたる実害はないからいいんだけどさ。


今も言われた直後に否定したけども、なんかいや解ってますよてきな顔返されたんだけど。うぜぇ。


──まぁ、それは置いておいて。俺は今グリッドの街の役所内にある警備隊の本部に来ていた。勿論俺が何かやらかしたとかいうわけではなく、襲撃の時の件だ。


あの襲撃からすでに一夜明けている。あの日はさすがに怪我人の治療やらレイスに憑りつかれていた男達の遺体の撤去などで警備隊はドタバタしており、翌日改めてちゃんとお話ししたいといわれていたのだ。


……正直な所面倒だから無視したいところだったが、残念ながら俺はまだこのグリッドの街を出ていくあてがなかった。なので呼び出しに応じてこうしてやってきているわけである。


まぁ、俺に対しての聞き取りというわけではなく、お礼やら説明やらということなのでその分気は楽ではあるが。


最初にまず、ちょっと偉そうな(別に態度が横柄というわけではなく、見た目から偉そうな感じがしているだけ)男性から昨日の礼を述べられた。それからいろいろ説明を受ける。


どうやら俺の能力取得は時すでに遅しなんてことにはならなかったらしく、怪我人は出たものの()()()犠牲者は出なかったようだ。ただし、町人にはである。残念ながらレイスに憑りつかれていた男たちは一人を除いて全員事切れていたらしい。


これは俺が浄霊したせいだというわけではなく、レイスに憑りつかれた人間の末路は基本こうなるそうだ。生命力を吸われ、更には人体のリミッターを無視した動きをするため全身もボロボロ。大抵は憑依が解けた時点──というかもうこの街に辿り着いた時点で人としての生はすでに終わっていただろうとのことだった。


唯一生き残ったのは、例の門番さんだ。彼は憑依されてから殆ど時間が経っていなかったため、生命力をあまり吸われる前に救助する事が出来た。無理な動きはさせられていたので全身ダメージを負っていたらしいが、あの後すぐに<<ヒーリング>>が掛けられたらしく、しばらくは安静ではあるものの命に別状はなく後遺症もなさそうだとのことだった。一安心である。



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