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記念製作


『雑談配信だと、今やってることと何も変わらんしなぁ』

「今の俺、手持ちの物も少ないから準備できるものもないしなぁ……あ、でもなんかネタもらえれば作れるかも?」

『あー、モデリングしたものを実体化できるんだっけ?』

「そそ。材質によってMPが掛かるからなんでもできるってわけじゃないけど」


そういや異世界の街の光景見せたり、魔法(<<ライト>>だけど……)は見せたけど、モデリングの奴は見せてなかったな。目の前で簡単なのを作って見せるとかはアリだったかもしれない。コストかかるけど……でも、この二日間でそれなりにスパも投げてもらっている(寝ている時間や水浴びから上がって髪を拭いている時に投げられるのはよくわからんが)から、ちょっとMPには余裕が出てきている。


うん、ちょっとくらいは還元もすべきだよな。モノづくりだったら時間とMPさえあればいろいろできそうだし。ただ何を作るかだけど、


「えっと、なんか作った方がいい奴ある? MP消費するからなんでもってわけにはいかないけど、1000人記念とスパチャのお礼としてなんか作るよ」

『あ、だったらカズサちゃん新衣装作ろうよ。登録1000人突破新衣装』

『カズサさん、確かその服含めて3着しかないんでしょ? もっと増やそうよ』

『それにもっと配信映えがする衣装はあった方がいいと思うし』

「衣装かー……」


俺Vの物じゃないけど、Vとかだったら記念に新衣装とかありそうだな。


荷物はあまり増やしたくないんだが……でも、確かにもう1セットか2セットくらいはあってもいいか。5セットあれば大分余裕が出来てくるし、まだ持ち運びも可能な範囲だろう。


あと、昨日一張羅を着てしまったので今日来ていたのはくっそ地味なワンピースだ。値段重視で買ったやっすい奴である。確かに配信で着るにはメリハリがなさすぎる。毎日分はさすがにないにしても、人が多く来てくれるであろう週末用は欲しいかも。


うん、よし。


「それじゃ衣装っていうか、服を作ろうかな? みんな見に来てくれてチャンネル登録してくれたお礼として作ろうと思うけど、なんかリクエストある?」

『スク水!』

「却下で」

『即答!?』

『やっぱり恥ずかしい?』

「恥ずかしいというか、なんとなくしちゃいけない事をしている感が……」


普通にスカート穿いてるし、なんなら女物の下着をつけているので今更といえば今更なのだが、スカート位なら仮装と思えばそこまで別に変な感じはしないし、下着に関しては必要な物だからそこまでなんだけど。


さすがにノーパンで生活する気はないし、ブラはブラで宿の自室にいる時はともかく動き回る時は下着をつけていないと揺れて落ち着かないし、擦れる。なので着けないという選択肢はない。


それに対してスク水は全く必要なものではないし、何より水辺でもない状況下で着たらもう完全に性的に見られる目的としか思えない。そんな恰好をするのはなんとなく本当にダメな気がする。気分的なもんだだけど。


まぁスク水だと露出はそこまででもないかもしれないが……。


というか、その辺の気持ちがあるのは間違いないんだが、それ以外にもっと根本的な理由があるのだ。


「それに、そもそも素材がないんだよ。スク水ってナイロンとかそういった素材だろ?」

『あー、合成樹脂とかそれ系の素材がそっちの世界にはないのか』

「そういう事だ」


いくら形状がモデリングできても、素材がなければどうしようもない。


……実は素材の中にはよくわからない名称のものがある。恐らくこちらの世界にしかない素材なんだろう。それらの中には撥水性の高い素材があるのかもしれないが……作ってみないとわからないので、そう簡単に手は出せない。というかどっかで調べておくべきだな。


「とにかく、そういった事情でスク水はなしで。後、出来ればデザインが複雑すぎない奴でイメージしやすいのがいいかな」

『あー。そっか、サンプルそっちじゃ見れないのか』

『口頭で伝えるのもなかなか大変だしね』

「それもあるし、あと複雑だとその分素材代もかかりそうだから……金属とか入ってくるとアレだし」

『あーね。それだと制服とかがいいかな』

「そだね」


この人数だと意見を聞きながらデザインしていくのも大変そうだし、イメージしやすい制服系の方が作りやすい。


そう思って頷いた瞬間、コメント欄が制服祭りになった。

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