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一部の人達にとっては楽園

「まぁビキニアーマーは置いておいて、MPに余裕が出来てきたらそれっぽい衣装を作ってみてもいいけどさ」

『ああ、そういえばアイテムモデリングできるんだっけ』

『なるほど、投げ銭すればそういう特典がついてくるのか』

「……特典なのかね? 何にしろ生活費を優先はさせてもらうけど。今泊まってる宿も安いけどただじゃないからさー」


モデリングしても"現実にエクスポート"するまではMPは消費しないから、モデリングしたのを見せてそれをエクスポート可能なMP投げて貰えれば俺が着るっていうのも企画とかしてみるのもいいのかな。俺としても手持ちの服が増えるから悪くないかもしれない──普段使いできるような服ならだけどな。


どうせ夜とか暇だから能力リスト読み込むくらいしかないし……あ、でも視聴者増えたら、夜にそんな事している余裕はしばらくないのかな? 見に来ても作業してて反応しなかったら、つまらなくて帰っちゃったりするよな?


……そーいや、視聴者今何人──うわ、250人超えてる! すごい! ただあまりチャンネル登録者数は増えてないから油断はできないけど。


毎日ずっとは無理だけど、今日は出来るだけ飽きられないように動かないと!


何かこの辺で面白そうなものは……そんな事を考えて首を振った時だった。


『あ、ちょっと待って! カメラ戻して!』


コメント欄にそんな書き込みが流れるのが見えた。


「ん、カメラ?」


何か面白いものでも映ったのかな。とりあえず俺はその言葉に従って、カメラを手に取ると先ほどまで向いていた方に向ける。(このカメラは触っていないと基本俺の体の向きに追随してくる) 


「あ、もしかしてコレ?」


その途中で、実にファンタジーらしい姿を見つけてカメラを止めると、即座にコメントが返って来た。


『そうそう、そこ! おおおおおおおおおすげぇ、リアル獣人だ……』


そう、そちらにいるのはまさに獣人という存在だった。服から露出している部分の肌は濃い体毛に包まれており、顔は狼のような容貌をしている二人組。ウチ一人は胸元が盛り上がっているので恐らくは女性だろう。


『しかも! しかも! ケモレベル2の獣人! 素晴らしい!』

『俺を、俺をそちら側へ行かせてくれ!』

『うぉぉぉ、あのしっぽもっふもっふしてぇ』


その姿が映し出された瞬間、コメント欄の一部が急にヒートアップしだした。


『ケモナー達が急に発狂して草』

『ケモナー潜伏してたんか』

『てかケモレベル2って何よ?』

『クオリティ高ぇ……影とかの感じとかみてもゲームっぽくないし、マジファンタジー世界なのか?』

『特殊メイクじゃないの?』


その一部を除いたら割と冷静だ。ヒートアップする面々に対するコメントしたり、相変わらずこの配信に関して考察を続けていたりしている。


しかしコメントの流れ早いね。一週間程前までは数分間コメントなしとかもザラだったのが信じられないレベルの速度だよ。今の人数でコレなんだから、万単位の視聴者を持つ配信者なんてとてもコメント追いかけきれないわなぁ。


能力の中に動体視力上げる奴とかないかな? それ覚えたらコメント追っかけるの楽にならないかね……なんて、取らぬ狸の皮算用すぎるか。


企業勢や鳴り物入り、元々何らかの分野で有名だったとかじゃない限り、余程奇抜な事だったり優れた技術がなければそこまで視聴者が集まる事なんてまずありえない。


……まぁ今の俺の状態は奇抜中の奇抜ではあるんだけど。これでどこまで人を引き留められるかどうかは未知数だ。


とりあえず、街並み配信は好評っぽいし今後もやるのは確定だね。正直な所街並みだけだとあまりインパクトが弱いけど、亜人の方々の存在がでかい。街を歩いてればちょこちょこ見かけるレベルだし、皆様には申し訳ないけど飯のタネになってもらおうと思います。


日本でこんな事やったら速攻肖像権で訴えられそうだけど、今俺日本というか地球にいかないから関係ないしな。いやこっちでもそういった法律あるかもしれないけど、俺の配信をこっちの世界の人間が見れるわけもないだろうし問題ない。うん、ちょっとだけ罪悪感があるけど御免ね。


ただ視聴してくれている人たちが皆亜人に興味を示すわけじゃないから、リサーチは続けないと。


俺はこの一回で好評を取れればいいわけではないので、継続して視聴者を集められるコンテンツを探さなければいけないのだ。


そのためにも、コメント欄の反応はきっちり見ていかないとな! 事前調査で異世界っぽい感じがある場所や物は一応抑えてあるし。


『カズサちゃん、なんかこっちじっと見てる』

『やだ……俺たちと見つめあいたいのかな?』


いやコメント欄カメラの前の辺りに表示してんだよ、そっちには映ってないと思うけど。

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