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明日世界が滅亡するとしたら?

残り293日!73日目!

「明日世界が滅びるとしたらどうしたい?」


「そりゃ、勿論世界を救いに行くに決まってるよ?」


「馬鹿言ってないで真面目に答えてよ」


「馬鹿な質問に馬鹿な答えして何が悪いんだよ……まぁでもそうだな……」


 と、大柄の男は「んー」と真面目に考えを巡らせる。


「飯食ってオナニーして寝る」


「本能に忠実すぎじゃない?」


 三大欲求を満たすという大柄の男の答えに笑う小柄な男。


「色々やりたい事も思い浮かぶけど結局はそんなものだと思うぜ。どうせなら罪を犯したいとか、未知の経験をしたい奴もいると思うけど、結局それが一番幸せな終わり方な気がする」


「性欲を満たすのはオナニーでいいのか?」


「恋人がいるならするけど、いないしな。いたら飯も作ってくれて添い寝もしてくれて至れり尽くせりなんだが。そう思ったら、世界滅亡まで一緒に寄り添ってくれる相手を探す事が使命な気がしてきた」


「こんな他愛もない雑談で幸せの核心を掴まないでくれよ」


「真面目に答えさせたのお前だろうが! でも、やっぱり世界の滅亡の前日って抵抗も無く死ぬ日だろうから、自分の幸せが何かを考えさせられる気はするな」


「大きいくせに小さな幸せに浸ってるんだな」


「うるせえよ。じゃあお前は何をするんだよ」


「ダイナミック自殺」


「真面目に答えろよ」


「真面目に答えてるんだよ」


 明らかに不真面目なワードである「ダイナミック自殺」だが小柄な男は至って真剣なようである。


「死ぬって人生で一度しか出来ない事じゃん? それを決められた普遍的な死に方で死ぬのはつまらないと思うんだ」


「絶望の日に死ぬ事のどこが普遍的な死なんだよ。歴史的大事件だろ」


「いやいや……いや、まぁ確かにどんな滅び方をするかは分からないけど、地球滅亡規模で死ぬのは特別なのかもしれない……けど、そうじゃなくて、どうせなら誰も体験出来ないような死に方をしてみたいと思うんだよ。確かに、滅亡する瞬間の死も気になるけど、まぁその瞬間は他の人に任せるよ」


「つまりどんな死に方がしたいんだよ?」


 ここで小柄な男は顎に手を当てて考える。


「宇宙で飛べるだけ飛んでみたり、潜水艦でマリアナ海溝に潜れるだけ潜ったり、上空何千メートルからパラシュートなしで飛んでみたり、とにかくダイナミックな死に方をしたいかな、苦しいとか痛いとかは嫌だけど一瞬で死ねるならどれでも」


「叶えられるのかそんな夢みたいな死に方?」


「さぁ……? 死ぬ間際で誰か募集したりしてないかな?」


「もしかしたら抽選みたいなのはあるかもな」


「でも、それだと僕だけの死に方じゃなくなるのか……難しいな」


「お前が思いつく死に方なんて全世界にごまんといるだろ」


「僕のオリジナルな死に方か……何したらいいかな」


「豆腐の角にいくらぶつかったら死ぬか検証してみれば?」


「やだよそんな炎上しそうな動画投稿ネタみたいな死に方。滅亡する前に豆腐屋に殺されそうだし」


「豆腐屋も滅亡の日くら許してくれるって」


 そういう話じゃないと言いたげな視線を向ける小柄な男。


「まぁ滅亡する日までに決めればいいか」


「決まるのか? あと――一か月後までに?」


 二人が見る世界は変わり果てた日本の姿。滅亡すると発表があった日から事実であると世界に浸透するにつれて世界の様子は変わっていった。


 秩序なく生まれ変わった世界は混沌とし、世界滅亡する前に既に滅亡するのではないかと噂されていた。


「明日って言われたら何か良い死に方を探して死ぬか諦めて滅ぶ運命に身を任せるんだけど、意外と一か月は長いよな……」


「俺はこれから世界規模の大戦に参加するけど。どっかの馬鹿が核爆弾のスイッチか何か手に入れて世界に発信してるらしいぞ。最後のバトルだ! とかゲーム感覚で。俺達を倒さないと滅亡の日が来る前に滅亡させてやるってさ」


「なんだそれ、面白い事してるなぁ。その死に方は確かに良いな。ダイナミック自殺の極致かも」


「分からんぞ。面白がって世界の敵側に付いている人間も結構多いらしいし、勝負してみたら意外と向こうが勝って滅ぶまでの日が早くなるかもしれないぜ?」


「じゃあ本当にお前が世界を救ってくれよ」


「前日じゃないけど頑張ってみるよ。俺の最期の飯の為にも」


「僕のダイナミック自殺の為にも頑張ってくれよ。その前に何するか決めないとだけど」


「俺も出会いがあればいいけど。最後に飯を作ってくれるような人との出会い」


「最悪料理は僕が作ってやるよ。それ以外は出来ないけど」


「なんかそれは……嫌だな……」


「じゃあ良い人見つけて世界救って生きて滅亡の日迎えろよ」


 「そうだな」と大柄の男は頷く。滅びゆく世界で変わらない居心地を二人は間に感じるのだった。


今回は滅亡について考えてたので書いてみました!

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