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クラス順位

残り301日!68日目!

 教室を見渡せばクラスメイトの順位が見えてくる。


判断基準は様々である。個人能力、教室内のポジション取りから、声の大きさ、所属グループの大きさ、所属グループ内の立ち位置、クラスでの立ち位置などなど、多種多様な観点から順位は決められる。


 それはただ目立ちがちなカーストの高いグループに所属していれば順位が高いという訳ではない。確かに順位を決める基準としてカーストの高いグループに所属している事は評価対象ではあるが、例えばだ。


 体育会系が集まったあの男子集団を見てみる。窓際を陣取り、自信満々な大声で話す彼らはクラスのカースト上位グループである。


 バスケ部レギュラーの吉岡を筆頭に他バスケ部2人と剣道部1人、サッカー部2人が合わさった計6人の体育会系が揃ったグループだ。クラスの中心も担う吉岡はおどけた調子も相まってクラス中から好かれており、顔も整っており彼に好意を持つ女子は多い。それでいて、バスケに対して真剣に取り組んでいる姿勢が周囲に好印象を持たれている。


 そんな吉岡のグループはノリの良い運動部の人間が集まっているのだが、一人だけ居づらそうな雰囲気をしている人間がいた。


 バスケ部の高橋である。


 彼は吉岡と同じバスケ部であるというだけで同じグループに所属しており、あまり熱心な体育会系ではない。この前、オタクグループのアニメ談義に笑顔で参加していたので本当はそっちの方が合っているのだろうが、部活でも一緒にいる為に付き合いが長い吉岡のグループに引っ張られている感じであった。


 彼は上位グループにはいるものの、男子22人の内、10位くらいが妥当だろう。因みに吉岡が1位である。


 高橋もオタクグループに属していればその中心にもなれた上に、オタク系女子との交流があればもう少し上を目指せる素質はあっただろうが環境が悪かったので仕方がない。


 ただ上位グループで最も順位が低く酷いのはサッカー部の木本である。


 3位の剣道部斎藤、4位のサッカー部灰田、6位のバスケ部山本など明るくノリが良い体育会系が自然と集まったグループの中に紛れてしまった異端が木本である。


 木本はサッカー部の灰田に付いて来て吉岡のグループに入ったが、それは高橋と似た理由のようではあるが、中身は全然違う。高橋は吉岡に連れられていたが、木本は灰田に無理矢理ついて来たのだった。


 空気を読むのが苦手な事に自覚のない木本は仲の良い友達がおらず、嫌そうな顔をする灰田には気付かずなし崩し的に吉岡のグループに入った人間だった。


 空気が読めない木本はとにかく笑う事でそれを誤魔化しており、一見してムードメーカーを担っているようにも見えるが、いや、確かにその側面はなくもないのだが、どうにも周囲との感覚の差が欠点となっている。


 周りも弄る事でなんとか昇華しようと試みているがそれが毎回上手くいくわけではないため困った様子を見せている。


 品性もなく、特に運動部で活躍している訳でもないが運動をしていない人間を見下す癖があるという、性格にも難があるという問題児である。


 これで吉岡くらいスポーツが出来るか、空気が読めなくとも天然ボケのような愛嬌があれば順位も一気に上がっただろうが、何もかも中途半場で自意識が強い彼は、21位である。


 と、こんな感じにけしてカーストの高いグループに所属しているからと言って必ずしもクラス内順位が高い訳ではないという事だ。


 ここまで聞いて気になるのは上位グループの中に存在しなかった2位の存在だろうか。


 結論から言えばこのクラス2位は水泳部の村上である。


 村上のグループは吉岡のグループの一つ下に属しており、学校行事でもそれなりに目立って参加するグループである。


 だが先程も言ったがグループが高ければ順位が高い訳ではない。中位のグループに属する村上が2位に位置する理由はそのルックスの良さと愛される天然キャラが原因である。


 ルックスはクラス一整っており、柔らかな笑顔を周囲に向ける村上の女子人気は高かった。更に天然な所があるのが周りからは好評で、時々、とんでもなく外れた発言をしては教室を笑わしていた。


 吉岡に一歩届かないのが、部活に置ける活躍の差であった。村上も運動は出来るが、特別に結果を残している訳ではなく、吉岡のように目立つ部活で目立った活躍をしていないのが、一歩届かない理由であった。


 しかし女子人気は全校をみれば吉岡だが、クラス内だけを見れば村上に軍配が上がるようである。ただ、吉岡は全校生徒から人気なため、憧れの存在に認定されがちであり、校内ではあまり目立っていない村上がクラス内の人気を掴んでいるように見えた。


 村上のグループは色んな生徒が所属しており、柔道部や生徒会役員、帰宅部など仲良く出来る生徒同士で集まっている様子であった。


 順位も5位の柔道部剛田、8位の生徒会役員田中、9位の帰宅部神田、13位の帰宅部岡野と言ったかなり高順位のメンバーを揃えている。


 単純に仲良くなったメンバーで構成されているため見ていて一番安心出来るグループでもあった。


 その下にくるのがお調子者グループだ。


 このグループは授業を茶化したり仲間内で悪乗りしたりと身内ネタが多いグループで、楽しそうなのは良い事なのだが周りからは白い目で見られている事が多い。


 それでも学校行事では目立とうと張り切り、何故か運動も出来る生徒が多いため、それ程低い順位にならないのがこのグループの特徴であった。悪い人間ではない事が周りに伝わっている証拠なのかもしれない。


 11位にボーリング同好会吉田、12位に帰宅部川北、14位に帰宅部松本、19位に帰宅部多賀の四人グループである。特に低い多賀はグループ内で弄られ役である事が順位の低い理由である。


 このグループに入っていなければと思うのが川北であり、顔も良く、他のメンバー程悪乗りに加わっていない所を見ると、村上のグループに入っていれば一桁順位もありえたように思える。


 それでも川北がそのグループにいるのは、それでもその仲間内に何か円を感じているのかもしれない。


 最下位グループにはオタクグループだ。


 15位の帰宅部上野、16位の科学部岡、17位のバドミントン部田中、18位の卓球部杉原、20位の和太鼓同好会町田の5人グループである。


 基本的に地味な彼らは学校行事にもあまり積極的ではない。


 グループ内でのコミュニケーションしかほとんどないせいで、自分らの外に対して明るくない。どうしてもカーストは下がっていく。まぁ、分かりやすく暗いグループである。


 ただ本人達は楽しそうで順位もカーストも気にしていなさそうなのが彼らの良さかもしれない。


 一桁である7位の人物は帰宅部の新谷である。


 彼は無所属であり、クラス内を好きに行動している生徒であった。一人でいる時も多いのだが、どのグループにも馴染んでおり、飄々として掴みどころがないのが彼である。


 誰からも好かれる新谷だが、帰宅部である事と無所属である事が大きく、運動部に差を付けられる事になってしまったと言った結果だろうか。


 そして残る男子の22位だが、ここまできてはぐらかす事も出来ないだろう……。


 22位は――そう、不登校の森田である。


 これは教師である私の失態であった。学校に来ていないのだから圏外とも言えるのだが彼も私のクラスの生徒である。きっちり順位に入れないと不公平である。

 

 本当は学校に来てしっかりとした評価の元で判断したいのだが、中々説得に応じてくれないのだ。


 男子はこんなものだが、女子の順位は……かなりドロドロしているのであまり語りたくない。


 現在フリーの村上を巡っての争いがこれ以上激化しない事を祈るばかりである。


今回は「順位」「はぐらかす」「無所属」の三つの単語からお話を書きました!

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