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授業中の妄想

残り310日!56日目!

 授業中にボーッと窓の外を眺めていると、急に窓やドアから銃を持った武装集団が教室を攻めて来る事がある。もちろん僕の妄想の中の話なのだが、どうやら男子学生はみんなこの妄想をしているらしい。


 僕も他の男子学生と同じように妄想をしていたが、話を聞いていると自分だけ様子がおかしい事に気づいた。


 みんなテロリストに勇敢に立ち向かい、銃を奪いやり返し、敵を制圧し、皆のヒーローになっているのに対して、僕はテロリストから逃げよとするのだった。


 しかも、大抵は逃げきれないというバッドエンドを迎える。


 そもそも、僕の妄想では開幕一番にテロリストが銃を乱射して教室にいる生徒を皆殺しにするところからスタートするのだ。


 最初の銃は運良く避けられるのだが、そこからが僕にとっての問題だった。


 もうこの時点で僕の妄想は怖いと言われた。まずは銃を突き付けられて、全員の身動きが取れなくなる所からがスタートなんだと言われた。それから、敵の注意を引いたり、あの手この手でテロリストを撃退して行くんだ。


 と、友達は自分がヒーローになったかのように楽しそうにその妄想を語ってくれた。


 そう言われても妄想の話なので、正しいも何もないだろと思いながら聞いていた。ただ、確かに僕も初めは彼と似た妄想をしていた。


 テロリストの銃の乱射から生き残った僕は一瞬の隙をついて銃を奪い、一人テロリストを倒して、動揺するもう一人をと倒すのだが、その次には別のテロリストに僕は撃たれて死んでしまうのだった。


 するとまた初めのシーンに戻り、再び銃が乱射される所から始まる。


 また生き残った僕は今度は窓から逃げ出すが降りた先にいるテロリストに見つかって殺される。


 次は死んだクラスメイトの死体と一緒に横たわり死んだふりをしてみるが、丁寧に一人ずつトドメを刺すテロリストを見て絶望の中で死んでいく。


 死んだふりをして油断させた所で銃を奪っても最初と同じように死んでしまう。


 いっその事、テロリストに投降してみるが銃を乱射して皆殺しにしようとしているテロリストに慈悲はなかった。


 どうにかして生き延びようと何度も試行錯誤を繰り返すが完全に死の袋小路にハマってしまう。唯一その永遠にループから逃れる手段があった。


 妄想から抜け出して真面目に授業を受ける事である。


「お前、そんな妄想して楽しいの?」


 自分は妄想の中で皆んなのヒーローになると言っていた友達が僕の話を聞くと気味が悪そうに言う。


「無敵のヒーローになって敵を倒すよりも、僕は死ぬ方がスリルがあって楽しいと思うけど」


 妄想とはいえ緊張感がある方が楽しいと僕は思う。


「せっかくの妄想なのに死んでばっかりってのはな……。やっぱり悪役を全員倒してこそだろ」


 それは個人の自由だと思う。それにーー


「妄想って現実じゃ絶対に起きない事を考えるから妄想なんだよーー」


 僕は懐に忍ばせてあった銃を抜いて友達に突きつける。


「現実で僕が死ぬ事はないから」


 そして僕は引き金をーー


「よかった。この妄想もしておいてーー」


 ハッとしたのも束の間、僕は簡単に銃を奪われ逆に突き付けられてしまう。


「どうだ妄想通りか?」


 僕はすぐに逃げ道を探す、が――すでに妄想通り、僕がいた場所は死の袋小路であった。




「って妄想を授業中にしてた」


「あっそ」


――おしまい。



授業中にしていた妄想の話でした!

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