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百合の写真

3残り342日!24日目!

 知り合いから百合を撮って欲しいと頼まれた。


 僕は二つ返事で了承した。百合は僕の中でとても美しい存在であったため撮る事に躊躇いはなかった。


 しかし、長い事カメラマンをしてきたが、百合を撮ると言うのは専門外と言ってもよかった。


 僕の専門は動物の本来ある姿、野性的で本能的な様子を取る事を専門にしている。百合を野性的に、本能的に、撮ると言うのは少し具合が違うように思えた。


 もっと、芸術的で神秘的な美しいものとして扱うべきだろう。得意分野で勝負しようと無理矢理、野性的に魅せようとすれば、逆にどこか作り物であるように見えてしまい品がなくなるのもよくないように思えた。


 だからと言って、人工的過ぎても、撮ったものに見た人は疑念の目を向け、作品としてのあざとさを見透かされてしまいかねない。


 これは難しい塩梅であった。


 請け負ったからには、とにかく、撮ってみようと思いカメラのレンズ穴から被写体をみる。


 しかし、変哲のない百合がそこに写るだけであった。


 百合は百合であるだけで美しい。


 撮って欲しいと僕に行った友人はそう言っていた。それには賛同するが、カメラを通す事で被写体はより美しくもなれば酷くもなる。


 プロとして頼まれたからには目の前の百合を最も美しく撮るのが仕事だ。


 とは言え、いくつか写真を撮ってみるが、納得いく出来ではない。


 事務所のスタジオで小道具を使いつつ試みたが、上手くはいかなかったため、外に出た。


 外の方がもっと自然的な百合として撮れる気がした。野性的であるべきではないが、人工的過ぎないバランスは外でこそ発揮出来そうだと感じたからだ。


 百合達を寄り合わせてみると室内では感じる事が出来なかった自然さを感じた。


 室内でもきっと上手く撮れば十分に美しい写真が撮れるのだろうが、外に出る事で少し自分の専門に近付けた事が大きいようであった。


 誰かに見られるためだけに飾られている訳ではない、ここに居る事があたりまえであるような雰囲気が出ている。しかし、よく見れば違和感を覚える。


 野性的で本能的に見えるこの写真には本来存在しなくてもいい理性を感じさせ、その理性が見えた時、この写真の本当の美しさに気付けるように思えた。


 いい仕事をしたと後日満足して撮った写真を友人に渡すと


「お前は一体、何を想像したんだ」


 と、呆れたように言われたのだった。


今回は「百合」「カメラ」「穴」の三つの単語からお話を書きました!

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