君が1番の友達
僕にはたった1人のお友達がいる。
それは、くまのティラくん。
ティラくんは、僕が赤ん坊の時から、ずっと傍にいるんだ。
色は白で、不器用ながらもティラくんに服を作って着せている。
いつ見ても可愛くてかっこよくて、だいすき!
今日はティラくんのお誕生日。
僕はティラくんのお誕生日パーティーの準備をした。
「ティラくん、君には新しいコートを作ってあげるね?色は黒とかどうかな?星柄にして可愛くしてあげるね?あ!お菓子は星のクッキーにして、甘いミルクでいいかな?よし!作るぞ!」
僕はさっそくコート作りに取りかかった。
「ティラくんの為に作るんだ!」
作っていると、だんだん眠くなってきた。
スヤスヤ眠っていると、くまが歩いてきた。
「いつも僕の服を作ってくれて、ありがとう。君と僕はもう、この世には居ないんだよ。いつまでも夢を見たらいけないよ。ほら、僕と一緒に前へ進もう?」
少年は幼い頃に病で亡くなっていて、まだ生きてると思い込んでいたのです。
ティラくんは少年を抱えて光の扉へ歩き出しました。
そこには、少年の夢であるテディベアの世界が広がっていました。
目を覚ました少年は涙を流しながら笑っていた。
「夢が叶った!やったぁ!ねぇ、ティラくん、僕の夢叶ったよ!」
走り回る少年を見てティラくんは倒れた。
「こ…れで…僕の役目…は…終わった。ゆっくり…休むんだよ。バイバイ。」
ティラくんの魂が少年を包み込んだ。
目を開けると病院のベットにいた。
少年のお母さんらしき人が抱きしめてきた。
「あれ?ねぇ、ティラくんは?」
お母さんはキョトンとした顔をしていた。
ティラくんは、少年が夢の中で作り出したテディベアでした。
少年に生きる力をあげたくて、夢の中にティラくんが入ってきたのでした。
少年の手にはティラくんにあげる為に作ったコートが…。
少年は泣きながら
「ティラくん…ありがとう。」
と泣きながら感謝を伝えました。