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体の関係

「愛梨、招待状きたよ」


「紫音の結婚だって?幸せそうでよかった」


「そうだね」


「ねぇー。クマさん」


「もう、随分痩せたんだけどな」


「それでも、国厚(くにあつ)は私のクマさんだよ」


私は、ギュッーっと抱き締めた。


太ってるのがコンプレックスだった国厚(くにあつ)は、今はジムのトレーナーになった。


「クマさんは、胸が立派だよ」


「こしょばいよ、愛梨」


私は、国厚(くにあつ)の事も、ただの通過する一つの存在だって思っていた。


だけど、こんなに好きになるなんて思わなかった。


多分、それは、原口さんが彼に愛を教えたからだと思う。

.

.

.




私の名前は、紺野愛梨(こんのあいり)


容姿端麗、成績もよかった、運動神経もよくて、私は皆から綺麗だって言われ続けてた。


紫音は、私の理想にピッタリだった。


私は、紫音に近づいた。


人を好きだと思った事は、一度もない。


私は、紫音の彼女ではない。


私は、ただのセフレだった。


でも、それでよかった。


あいつとのそれよりも、紫音としてる方がマシだった。


紫音だけじゃない。


紫音の取り巻きの数人とも関係をもっていた。


「ねー。紫音、嫌じゃないの?」


「えっ?何が?」


「私が、他の人としてるの」


「別に、いいんじゃねぇの?玩具は、有効利用しなきゃな」


紫音は、そう言って笑った。


「私、玩具って事?」


「さあな」


小花さんに出会う前の紫音は、クズだった。


中学に入っても紫音との関係は、続いていた。


「はあー。疲れた」


「ねぇー。最近、私とするの楽しくないの?」


「別に」


「何か、好きな人でも出来たのかなって思って」


「好きって何?愛梨は、知ってんの?」


「知らない」


「じゃあ、聞くなよ」


「紫音、もう一回しよう?」


「いいよ」


紫音は、私の要望をいつだって聞いてくれる。


だけど、私は紫音じゃ足りなかった。


(はぎ)ー。」


「愛梨、可愛いな」


「ありがとう」


セフレ二号の(はぎ)


紫音の取り巻きだ。


だけど、私は萩だけでも足りない。


「こしょばいよ。充」


「ごめん」


「愛梨の事好き?」


「好きだよ」


セフレ三号の充。


紫音の取り巻きだ。


だけど、私は充だけじゃ足りなかった。


「愛梨の事好き?」


「好きだよ」


「圭、ありがとう」


「可愛いよ、愛梨」


セフレ四号の圭


紫音の取り巻きだ。


だけど、私は圭だけじゃ足りなくて


だけど…。


「愛梨、元気か?」


「叔父さん、きてたんですか?」


「叔父さんは、いつだってくるよ。」

 

「離して」


「そんな事、言ったら愛梨のお父さんクビにしちゃおうかな?」


「やめて」


この人は、嫌。


誰か、私をここから助けて。


「お前、いろんな奴とやりまくってるんだろ?」


「私の部屋で、煙草吸わないでよ」


「お母さん、亜季は喜んでたよ。秀一さんのお給料あげてもらえるなら、愛梨をどうぞって。妹ながら、鬼畜だよな」


「わかってるなら、何で?」


「愛梨は、綺麗なお人形だよ。亜季は、愛梨はいらないって言ってたんだよ。子供は、二人でよかった。なのに、愛梨がお腹に出来ちゃった。」


髪の毛を撫でられる事に、吐き気がする。


「愛梨は、叔父さんが愛さないと誰も愛してくれないんだよ。わかる?」


「わからない」


「愛梨、わからないのか?」


「あっつい」


煙草を押し当てられるのは、いつもの事。


「愛梨、高校に入ったら男全員きれよ。腰に、こんな痕つけてるのに愛梨を抱けるやつってすげーよな」


「やめて、(さわ)らないで」


「だから、やらせ過ぎなんだよ。愛梨はよ。俺が、仕込んだ事を他の男に使うなよ。」


そう言って、叔父さんは出ていった。


助けを求める声は、届かない。


「愛梨、シャンプー。私の使わないでよね。」


「ごめん。なかったから」


「次から、気をつけて」


姉の優里菜(ゆりな)は、母親から溺愛されていた。


「愛梨、俺の部屋になんか取りに来たならちゃんと片付けろよ」


パシンって、本で頭を叩かれた。


兄の悠里(ゆうり)は、父に溺愛されていた。


二人とも、私と違って、一ミリも汚れていない。




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