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夏の旅路

作者: なと

いつもの、レトロ唄(詩)です。

懐かしい想い出を、貴方にも、見てもらいたくて。


ぱっと街に電灯が点きます。今日も夜が来ました。かたかた戸棚が鳴っています。道路のお地蔵様が雨に濡れています。鉱石ラジオが相撲中継をやっています。僕はアイスをかじりながら、父親が還るのを待っています。糸トンボの採れる山の川に遊びに連れて行ってもらうために。でも、そこには、人を喰う鬼が出るという噂があります。夏の宵。


郵便ポストに真っ赤な手紙が届くころ、お山の神社の境内で、鬼の面をつけた妖怪が踊っているよ。知らない町を歩いてみたい。どこか遠くへ行きたい。懐かしさは、かすかな闇と共に、布団の中に。今宵も夜空の星々が、窓の外で美しい。月に死んだあの人を蘇らせてと、願うと、雨が降ってきて、月が泣き始めた。今宵も一人。


荒れ野に狐。妖異の赤い瞳は、迷い人をその瞳に映す。街角のキネマ館で、上映される懐かしい映画にでていた箱男が、今宵も街に出没します。はたまた見世物小屋から逃げ出してきたか。マッチを擦って煙草に火を灯し、ウイスキーグラスに氷を浮かべて傾ける頃、遠い海の人魚の娘が赤い蝋燭のともし火に好きな人を映し出す。嗚呼、結ばれない恋です。切なさは、少し、大人なのかもしれない。


ザアザア雨の中、トランペットを持った娘が泣いている。恋に破れた哀れな娘。届かない手紙。それらは、私にとっては懐かしい想い出のようで、宿場町の街角に立ちながら、赤い花を見つつ、ただただ、感慨深い。遠い過去は、いつまでも、私を苦しめて止まない恋のよう。記憶の淵に、過去を思い出し、過去にまた、恋をする。マッチを擦って煙草に火をつけると、遠い日の線香花火を思い出した。




こういう詩もいいと思い。

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