彼女との出会い
ざっと二、三時この世界を旅してレベルが大体21くらいになったころ、はじめての街についた。この世界では街に入るためのレベルが必要となっており、20レベルで入れる始まりの街に足を踏み入れた………。
『レベル20を超える新人冒険者達よ。ようこそ[クレアシオン]へ。』
と、書かれた看板が入り口に付いている。どうやらここはクレアシオンという町の様だ。門をくぐり抜けると、桜の様な木が一列に並んでいて小さくはあるものの、なんだか落ち着く雰囲気を漂わせている。
軽く回ってみると宿屋、武器屋、防具屋、道具屋、そして酒場があった。それ以外は民家の様だ。
まだ日が暮れる時間ではないが、先に宿屋に行って部屋を借りに行こうとあちこち見ながら歩いて行くと、何かにぶつかった。
「柔らかいっっ!!!」(痛い)
心の声と漏れる声が逆になる。
目の前の女性は恥ずかしそうに顔を赤らめている。不可抗力とはいえ、流石に謝るべきだろうが、緊張で言葉が出ない。
「ああええあうう……」
べつに俺はコミュ障ではない。じゃあなぜこうなってるのかというと、
目の前にいる女性が、俺の理想を詰め込んだ様な容姿をしていたからだ。
やや長めで小さめの三つ編みが作られている、艶やかな焦げ茶色の髪。
きめ細かく、すべすべの白い肌
見る者、触る者を魅力する柔らかくもしっかりとした2つの果実。
子供っぽさが残るものの、落ち着いた雰囲気がある顔。
今まで出会った女性の中でダントツで可愛いい。
けど、俺は知っている。金に寄ってきて思い通りに行かなければすぐに離れる。挙句の果てには騙し、あざ笑う。そうだ女とはそういう生き物だ。見た目がちょっとばかし可愛いからって中身はきっとドス黒いのはわかってるだろ。
そう心の中で何度も自分に言い聞かせていく。
心が落ち着いてきたぐらいに、「ごめんね大丈夫?」と手を差し伸べ、
大丈夫なのを確認するとお得意の作り笑顔でこの町の事をいろいろ聞き出していった。若干忘れていたが、ここはゲームの世界だ。このぶつかった出来事も、
なんらかのクエストである可能性が高い。そしてどうやら彼女の家は酒場を経営している様だ。酒場といえば情報収集ができる場所である事が多いので、夜に向かってみることに決めた。