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生まれ変わったら鏡だった

作者: もふぷに

 えー、別小説が殺伐としているので、のへーんと垂れたくて書きました。

 もしまずいとことかあったらご連絡下さい。

「鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだぁれ?」

「はい、王妃様。それは隣国の第3王子リチャード殿下に御座います」

「そこのあなた、隣国のリチャード殿下宛てに美味なる甘味を送るよう、陛下に私からのお願いだと伝えなさい。我が国の特産のカカオを使った甘味が良いわね。先日此方にいらした際に、食の細いあの方が我が国の甘味を大変御気に召していたそうだから。そうね……両国の友好を願って、それと先日いらした際に御気に召されたようだからと。あとは適当に文言を入れた書簡を入れておいて頂戴」


 数週間後、第3王子のリチャード殿下がふっくらとしたお体になった、と親書が届いた。あちらの両陛下と、兄王子殿下からのお礼の言葉とお礼の品と共に。

 あちらの王陛下と妃殿下は、食の細かった第3王子が『こんなに食べてくれたのは初めてだ!』と殊の外お喜びらしい。

 それに対する返礼の品を用意させつつ、書状をしたためる。甘味を食べ過ぎた場合の注意点と、喜ばしいからと言って甘味ばかり食べさせて今度は体調を崩させないように、と一言添えておく事にする。太り過ぎダメ、絶対。



 ***



「鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだぁれ?」

「はい、王妃様。それは我が国の城下に住む粉屋の娘のシンシアで御座います」

「そこのあなた、その娘に好意を持っている男性をリストアップして頂戴。その中から一番条件の良い男性を選んで、それとなく後押しを。もし、シンシアという娘に好いた相手がいるなら報告を。碌でもない相手なら良い縁を繋げられるようになさい。さっさとくっ付けて、幸せ太りすれば良いのだわ!」


 数日後、城下に住むとある粉屋の娘が結婚式を挙げたらしいと風の便りが届く。結婚相手は密かに交流をしていた騎士爵家の4男で、互いに好き合ってはいたものの、相手側の男性に思いを寄せる令嬢も居た事から身分の違いもあるので無理だろう、と諦めかけていたらしい。

 ちなみに当の男性は町の警邏隊に所属している2つ年上の青年だ。勤務態度も真面目で、顔立ちも整っていた為に密かに想いを寄せている女性は多い。中には一方的に好意を押し付けている男爵家令嬢も居たのだが、令嬢が別の出会いで突然の恋に落ち、そちらの相手との婚約が成ったので、男性は無事に本来の思い人との結婚に辿り着けたらしい。末永く祝ってやる!



 ***



「鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだぁれ?」

「はい、王妃様。それは先日生まれたばかりのジュノー公爵家の長女のフランソワ嬢です」

「く……っ! 赤子を無理に太らせるのは良くないわね……。そこのあなた! 公爵家に長女の生まれた祝いに赤子用の肌触りの良い下着と、夫人用のケープを用意して! あの家は確か、代々男ばかりだったわね。念の為に、女児の赤子の扱いに慣れた世話係を見繕っておいて頂戴。必要なら紹介を」


 2日後、男児しか扱った事の公爵家の世話係では手が足りなかった為、急遽募集された世話係には応募した女性が数多く居た。最終的には、王妃からの紹介状を持って応募に向かった女性が世話係に選ばれたと聞く。中には上手く公爵家に入り込んで内情をスパイしようとしていた他家の人間も混ざっていたらしく、公爵家からは祝いの品へのお礼の言葉も書かれた礼状が届けられた。

 すでに家中が初めの女児にメロメロで、構いすぎて泣かせた前当主が時折世話係に叱り付けられているらしい。……良いのだろうか。



 ***



「鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだぁれ? あぁ、赤子は除いて頂戴」

「はい、王妃様。それは前妃陛下の娘のスノーブランシェ王女殿下に御座います」

「……あの娘ね。そこのあなた。近衛に言って、あの娘を西の森に連れてお行き! そこで置き去りに……いいえ、やっぱり飢えるのは良くないわね。食料をしっかりと用意なさい! そのまま森に置き去りに……いいえ、森なんて歩いた事も無い王女だわ。怪我をさせないよう馬車に乗せてお行き!! そのまま置き去り……いいえっ、狼が出て襲われては大変だわ。……西の森の先にある療養地へ連れて行きなさい! 確かあの地には、今はまだ婚約者のいない北の国の王太子殿下が逗留される予定の筈だわ。密かに調べさせた王太子殿下の好みとあの娘の容姿や性格は一致するし、あの娘の好みとも王太子殿下は一致する筈……! 最近体調を崩し気味だから丁度良い場所だわ。上手く二人を接触させて、それとなく支援するのよ! さっさと嫁いで幸せ太りすればいいんだわ!!」


 1ヵ月後、スノーブランシェの赴いたリゾート地から北の国の使者が訪れ、王太子殿下がスノーブランシェを見初めた。スノーブランシェ当人も満更では無いようなので婚約を交わしたい、という旨の書状が届く。

 国王陛下は大変驚いたが、愛する娘が愛する相手と結ばれたいというのであれば、という条件で返答を返す。正式な取り決めは今後の課題だ。国王がションボリしていたのは些事(さじ)である。



 ***



「鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだぁれ? 赤子とスノーブランシェは除くのよ!」

「はい、王妃様。それは王妃様の飼われていらっしゃる猫のエヴァンジェリンで御座います」

「当たり前じゃない! ふわふわの毛並みも、宝石のような瞳も、美しい鳴き声も、プニプニの肉球も、ミルクを飲む度にピクピクと動くお耳も、ほっこり温かい体も「王妃様、その辺りで」全てが最高だわ!! あの子を醜いなんて言う愚か者がいたら、極k……いえ、毛髪が斑に薄くなる呪いを掛けて差し上げますわ!」

「……王妃様、もしそれが女性だったらどうなさるのでしょうか?」

「そこのあなた……鋭いわね! そうね、あの子の美しさを妬むのが男性だけとは限らないわ……。でしたら、あの子を醜いなどと言う女性がいたら、胸部装甲が薄くなる呪いを掛けて差し上げますわ!」

「……っ、流石は王妃様。女性には間違い無く大打撃となるでしょう」

「えぇ、当然でしてよ。でも、エヴァちゃんの美しさを認めるのでしたら……呪いを解いt……いえ、軽くしてあげる事も(やぶさ)かではありませんわ」


 にぃぁ~ん


「あら、エヴァンジェリンちゃん! どうしたのかしら? 鏡が気になるの? ほら、エヴァちゃんが映ってるでしょう? ウフフ……ッ、本物のエヴァちゃんと鏡の中のエヴァちゃん。2倍で幸せも2倍ね!」


 ふしゃーっ!


「あらあら、どうしたの? この鏡が気に入らないの? そこのあなた、この鏡割りなさい」

「鏡の俺ピンチ」

 鏡は不憫。


 白雪姫のお后様が良い人だったら、という前提で書きました。侍女さん超有能。

 ちなみに、鏡の美しい人リストアップはわざとです。

 王妃様は超美人。前妃殿下との仲も良好でした。義理の娘との仲は、王様が娘ばかり可愛がるので嫉妬心メラリ。けど、裏話聞いて娘は王妃様ラブに変化。王様より一層ションボリ。


 白雪姫の名前はいじらせて頂きました。混在ネームにモンニョリ。


 ひげの生えてるとこの口元のω(プックリ)超可愛い。耳毛可愛い。フレーメン顔可愛い。尻尾ピン! と上げて尻全開のご機嫌で立ち去るの可愛い。おやつあると擦り寄ってきて、無いと分かると途端に興味を無くすの可愛い。腹見せからのツン切れ可愛い。触ろうとすると体低くして避けるの可愛い。短い尻尾びっしびし当たるの痛可愛い。ソッと近付いて来て尻尾巻き付けるの超可愛いぃぃぃぃぃ!!

 

 王妃様のセリフ代弁。そして私の本心。まだまだ言える。


 色々と悪ノリした結果、こうなりました。なお、割られずに済んだもよう。

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