4/5
2
レトリックが後ろを振り向くと、赤髪赤目の少年が立っていた。目鼻立ちが整った所謂イケメンというやつだ。
「俺はキオン=ナシュタ。見ての通り火属性だ。宜しくな!」
「宜しく、キオン。俺はレトリック=コナート。属性は…まぁ秘密かな」
2人は簡単な挨拶を交わして隣に並んだ。
「秘密って言われると知りたくなるんだよなぁ…見た感じでは水属性か木属性なんだけど」
「ああ、それはよく言われるよ」
絶対に当てる!と楽しそうに笑うキオンにつられてレトリックも笑った。キオンのせいで周りの新入生からの視線(主に女子)が集まっていたのはなんとも微妙な感覚だった。
「なぁレトリック、さっきからやたら時間を気にしてるけど何かあるのか?まだ式の開始時刻まで結構あるぞ?」
会話を初めて5分ほどした時、しきりに腕時計を見ていたレトリックが気になったのかキオンはそう言った。
「実は幼なじみの女の子を待たせちゃってて…」
「その子、列には並んでないのか?」
「うん。あんまり人混みには慣れてないようだったし列の外で待っててもらってるんだ」
「なるほどな」