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初夜
西日本軍事学校の三分も満たない距離に宿舎があった。学校とは違って宿舎は、コンクリート造りのアパート型の造りになっていた。一階には大広間、休憩所があり、二階は女子、三階は男子が宿泊する。
部屋は風呂、トイレが完備されており、部屋は一人につき一室用意されていた。
その一室に勇はベットに横たわり、手紙を読んでいた。
手紙の書き手は父。勇が尊敬し、初めて刀の流派を覚えた時の師匠。
その手紙を読み終えると、幼少の時の記憶が蘇る。
懐かしく思い出が心を痛める。
そして父に会った時に聞いた最期の言葉、『私の様に目立たず生きなさい』
「わかっているさ」
その時、外がやけに騒がしくなっていた。
その騒音で過去から現実に戻る。
、部屋の窓を開け、外を眺める。
雲が月を隠そうとし、暗くて騒音の方がよく見えないでいた。