妖刀
待ちに待ったダンジョン探索の日が来た!刀がドロップしてくれればいいんだが。今回は期待が大きいな。
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ゴブリン・ソーディアンという刀剣を持つゴブリンがいる。持っている刀剣はランダムだそうだ。レベルは大体10から15位だから先頭集団は余裕だそうだ。罠も増えたが、先頭集団が解除してくれてるおかげで安心して歩ける。ま、この階層で騎士団が解けないような罠はないそうだからな。あるとすれば転移系トラップだ。あれの解除は難しいらしい。
「・・近こ・・辺・・・・トラップ・・・認さ・・・いる・・・・気・・・・・よー!」
騎士団長のおっさんがなんか言ってるけどよく聞こえない。凄く眠い。足下がふらつくな・・・・。
「翔!翔ー!大丈夫?ふらふらしてるけど」
「大丈夫大丈夫」
それにしても眠いな。俺は眠い時に我慢はしないのが信条だ。寝よう。・・・・
「・・・・る!・・・ける!・・翔!足下!!罠!!!」
え・・・?カチッ
複雑な魔法陣が構築され、視界が白に塗りつぶされた。
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ん・・・・・・ここ・・は・・・・?さっきまで明るい通路にいたはずだが・・・?あ!思い出した!そういえばなんか魔法陣が浮かんで・・・?それよりこの無駄に広い空間はなんなんだろうか。霧のようなものが空間を満たしていて把握できない。・・・真ん中に何か刺さってるな。
・・・・汝、我ガ刃ノ担イ手ナリ・・・・・
!?・・・な、なんだ?今の声は・・・・・
霧が・・晴れていく・・・・・・・・・・?
!!!!!ま、真ん中に刀・・・か・・・?待て待て一旦落ち着こう。・・・・よし。さっきの声はあの刀からか?気になる。近づいてみるか。まるで吸い寄せられているかのように進んでいった。
刀は光を飲み込む黒い刀身に旋風を模したような鍔に白い龍と黒い龍が絡み合っているような柄、柄頭には竜頭を模した彫刻がある。
これを一目見たときにこの刀は俺に握られたがっているように見えた。柄を握ってみると妙にしっくりきた持ちやすいし、握りやすい。だいぶ深く刺さっているように見えたが、あっさりと抜けた。抜いたら、光が集まって鞘が構成されたのが一番驚いた。びっくりしすぎて、逆に落ち着いてしまったくらいに。
〈称号:妖刀 封龍の担い手 を取得しました〉
妖刀だったのか!?これ!封龍ってことは封じた龍の怨みが妖刀にしたんだろうな。抜いたときから少し感じていたが、無数の敵意がだんだん近づいてきているんだよな。
ガン!ガガガガガ!ガッバッガアァ!!!
壁が破壊されているようだ。壊れるのは時間の問題だな。抜刀術を使う機会ができたみたいだな。構えを取った時、無数の敵がなだれ込んできた。