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零の魔法使い  作者: 桃姫
ゼロの魔法使い
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5話:輪廻-密話-

 時刻は、遡る。一日と少し前。

「あれは……っ!」

私は、見た。因果律の崩れを。無限と無。二つの存在が、ぶつかり合う、その瞬間を。四之宮黎希と永久日天螺。この二人がぶつかったとき、この世界は、崩壊する。

「まずは、あれを止めなくては……」

恒久と抹消。無限と無の繰り返し。無限を無にしようとする。しかし無限は消えない。無限と無の繰り返しは、永遠に繰り返され、その魔法のぶつかり合いは、因果律を乱す。乱された因果律は、世界の崩壊を生み出す。

(くくり)

その魔法は、セカイにそれを閉じ込める。乱された因果律は、正される。あの二つの魔法は、この世に、発動されなかったことになる。


「輪廻の魔法」。それは、乱れた因果律を正すために作られた魔法。由緒正しき三家に伝えられし、世界の修正者。セカイの魔法使い。だから、私は、彼と彼女を見守る。無窮と零。その二人を……。


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