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零の魔法使い  作者: 桃姫
無窮の魔法使い
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epilogue:零と無限

 魔法が発動した瞬間、そこに居たはずの、《終焉》であった、もう一人の麗華は、消え去っていた。これから記憶の修正が始まる。記憶を修正されるのは、ここにいる、天螺、三縞である。


 はずだった。だが、

「私は、無窮の記憶を持つのよ。消えるわけ無いじゃない」

彼女は、そう言い切った。ちなみに三縞は、どうしてこんなところにいるのか分からないといった顔をしていた。

「さて、と。これで一件落着だな」


 さて、ことの真相だが。


 まず、とある世界。ここに酷似した別世界で、終焉の魔法使い・永久日天螺がいた。そして、もう一人、始まりの魔法使い・朱野宮麗華。二人が戦った結果、勝敗は、――実際にはつかなかった。むしろ、天螺は、麗華に「殺してくれ」と言った。しかし、麗華の「零の魔法」が、天螺を殺すことは出来ず、世界は崩壊した。しかし、これを、自分の魔法のせいで記憶が曖昧になっていた麗華は、「天螺に殺された」と言う勘違いを起こし、別の世界で、不確定要素、イレギュラーとして、「終焉」になった。


 そして、天螺を狙う形で、魔真衆を作り上げ、ついでに、邪魔な魔法使い達を一掃しようとしていたのだ。魔法使い達が重要視していた魔法使い狩りは、麗華にしてみれば、ついでに過ぎなかったと言うことだ。


 そして、月世を乗っ取り、やられた後は、この世界の麗華にくっついてたと言うわけだ。




 さて、と。全ての物語に幕が下りた。ここから先、実は、天螺に一目惚れしていた俺が、彼女とどうなったかや、麗華と汐深がどうなったか。月世と妖は?とか、色々あるが、それは、皆さんのご想像にお任せしよう。


 そうだな、一つ、答えるとしたら、随分と長く、幸せなときを過ごせたということだ。


 ああ、そうだ。一つ。希咲深蘭についてだが、彼女は、俺や天螺が、輪廻のセカイから戻ってくると姿を消していた。ただ、書置きに一言。

「また会おう。会える、そのいつかまでサヨナラよ黎希。P.S.お酒は買っといてね」

アイツらしい、一言だった。



 さて、これで、月と太陽、始まりと終わり、ゼロと無窮。全てを巡る長い長い輪廻の話は、終了となる。


                         魔法則‐零と無窮の輪廻‐完


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