28話:決戦
《始まり》と《終わり》が交わるとき世界は、終焉を賭けた未曾有の戦いが繰り広げられる。その舞台は、世界によって変わるが、ここでは、「輪廻のセカイ」だ。そのことを三縞から聞いた俺は、その「輪廻のセカイ」とやらに案内してもらった。
「輪廻のセカイ」は、世界と世界の間にある、「輪廻の魔法」使い特有の世界。場合によっては、世界を移動する「輪廻の魔法」使いが、因果律を弄くって(自らの因果法則で)作ったものだ。
そして、そこで見たのは、少女と麗華が戦っているところだった。
「天空:天から恵みをもたらす天使は、夢を与える。夢を与え続ける天使は、体に、白き羽が浮き上がる。さあ、恵みの空よ――始まりを降らせ」
空から、雷が雨のように降り注ぐ。
「暗黒:堕ちた天使が、光を見ることは許されない。闇は消えず、体に、黒き羽が浮き上がる。さあ、滅びの闇よ――終焉を運べ」
それをしたから湧き上がる闇が受け止めた。
――バリバリィィ
と、轟音を上げて、二つの魔法がぶつかり合う。閃光と空間が避けるような破砕音。怒涛の大魔法の連続で、俺は、少し、気後れしている。
――ドゴォゥオン!
明らかな衝撃音。決着が付いたのか?
~麗華~
私が、決戦の地へ入ってから最初に出会ったのは、長い白髪の少女だった。
「潰れろ」
まだ幼いその声で、私を殺そうとした。
「くっ」
そして、一気に距離を開け、
「天空:天から恵みをもたらす天使は、夢を与える。夢を与え続ける天使は、体に、白き羽が浮き上がる。さあ、恵みの空よ――始まりを降らせ」
空から、雷が雨のように降り注ぐ。
「暗黒:堕ちた天使が、光を見ることは許されない。闇は消えず、体に、黒き羽が浮き上がる。さあ、滅びの闇よ――終焉を運べ」
それをしたから湧き上がる闇が受け止めた。
――バリバリィィ
――ドゴォゥオン!
そして、闇を私の雷が穿った。
決着が付いたのだ。あっけなさすぎて、拍子抜けだが。確かに、《終焉》は、消え、
「麗華、伏せろ!!」




