27話:虚空
《始まり》と《終わり》。それは、どちらかが現れれば、どちらとも必ず在るものなのである。
「これが、|《虚空》《アーカーシャ》」
麗華は空を見上げ、いや、先ほどまで空があったところを見上げ、呟いた。アーカーシャとは、サンスクリット語だ。意味としては、「虚空」「大空」「天空」などを意味するのだが。この場合は、因果律の根底、全ての概念の塊、――アカシックレコードを指している。
アカシックレコード、まあ、聴いたことがあったり無かったりするだろう。よく出てくる概念ではある。アーカーシャと言う言葉も、アニメや漫画好きなら、聞いたことが無くも無いだろう(某、王の力やらが出てくるロボットアニメにも「――の剱」として出ているし)。
そして、虚空に、アカシックレコードが映し出されているということは、最終決戦を示しているのである。《終焉》が、《終焉》たる所以である、《終焉》の魔法。それが、発動した証。アカシックレコードにアクセスする、言わば、「神域」に足を踏み入れた、いや、踏み入れてしまった《終焉》だ。
因果律の大本であるアカシックレコードは、言わば、《終焉》を作ってしまった張本人でもあるのだ。そして、だからこそ、《終焉》の魔法は、アカシックレコードへアクセスできるらしい。そして、それは、因果律に選ばれた《始まり》も同じこと。つまりは、
「そろそろ、私の、出番かぁ」
麗華は、わざとらしく呟くと、「零の魔法」により、体にかかる重力を少なくした。そう、向かうのだ。間違いなく、あの、中へ。それは、間違いなく、寸分の狂いも無く、まったくもって、完全に、完璧に、
――全てにおいてあの時と同じ。
※これは、黎希の視点じゃないので、あくまで黎希と麗華が一緒にいるわけでは在りません。まあ、誰の視点かと言う話は...




