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雑な批判しかできない人間は、きっと己のせいでストレスが溜まっているだけなのだ

作者: P4rn0s
掲載日:2026/04/03

部屋の明かりを落としたまま、

ベッドに横になってスマホを眺めていた。


特に見るものがあるわけでもなく、

指だけが勝手に画面を滑っていく。

流れてくるのは、いつもの言葉たちだった。


「全部自民党のせい」


「解体しろ」


「国民を舐めるな」


同じ形の怒りが、同じテンポで、同じ方向に流れていく。


しばらく見ているうちに、なんとなく気分が重くなる。

内容じゃなくて、

その“雑さ”に引っかかっているのが分かる。


原油が上がれば「政府のせい」

物価が上がれば「無能」

そして最後は決まって「解体しろ」


画面を閉じる。


別に、政治を擁護したいわけじゃない。

ただ、その言葉の軽さが、やけに残る。


このまま部屋にいると、同じことをぐるぐる考え続けそうで、

上着だけ羽織って外に出た。


夜の空気は、思っていたより冷たかった。

少し歩くだけで、頭の中のざらつきが、

ほんの少しだけ静かになる。


本当に壊したいのは、そんな大きなものじゃないだろうに。


もっと手前にある、どうにもならない何か。

自分の生活とか、評価とか、他人との距離とか。


そこに触れたくないから、

遠くのものを壊そうとしているように見える。


たぶん、ああいう人間は、現実でも少しだけズレている。

会話の噛み合わなさとか、タイミングの悪さとか、

評価されない理由とか。


そういう小さな違和感が積み重なって、

本人だけが取り残されていく。


でも、それを認めるのは難しい。

認めた瞬間、自分の中の何かが崩れるから。


だから、外に原因を作る。


政治が悪い。

社会が悪い。

仕組みが悪い。


そうやって、原因を遠くへ遠くへ追いやっていく。


遠ければ遠いほど、触れなくて済むから。


誰もいない道をしばらく歩いて、立ち止まる。


ポケットの中のスマホを取り出して、もう一度画面をつける。

また同じ言葉が流れてくる。


「解体しろ」


その文字を見ながら、ふと思う。


この人たちは、本当に何かを壊したいのだろうか。

それとも、壊したい“ふり”をして、

自分を守っているだけなのだろうか。


たぶん、後者の方が多い。


壊す覚悟がある人間は、もっと具体的に考える。

何を、どう変えるのか。

その先に何があるのか。


ただ叫ぶだけの言葉には、その先がない。


空っぽのまま、音だけが大きい。


画面を消して、ポケットに戻す。


夜の静けさの方が、さっきまで見ていた言葉よりも、

よっぽど現実に近い気がした。


もし本当に「全部あいつのせい」で済むなら、

どれだけ楽だっただろうと思いながら、また歩き出した。

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