02
どぎついパッションピンク。インクを塗りたくったかのように発色するそれを見て、試食したらなんと砂糖。
砂糖となれば食べない選択肢はない。しかも、上質な方のお高い砂糖だ。これが倉庫の肥やしとなっているだなんて勿体ない!
と思って勢いで作ったけれど、工程とか適当なのに作れた理由はなぜなのか。考えても今はわからないので、周りを見ると、子達の目が好奇心で爛々と輝きが増す。
「みんなも食べる?」
──コクコク!
全く同じ動作で頷くのを見て、赤べこを思い出した。パッションピンクという偏見がなければ、すぐに口に入れるんだなと感心した。
次々と、ホットプレートに似たなにかを使って次々焼いていく。広いし、飴は小さいから早くみんなに行き渡らせられた。
食べた子達はとろけた顔をして、この世の幸せを味わっている。近くにいた、担当の大人にも勿論渡す。
子供と違って、だいぶん口に入れるまで躊躇していたけど。まあ、人生経験がある分、疑いをかけるのはごく自然。
「うわ!美味しい!」
いつもの淡々とした顔が美味しさで溶ける。とろっとろだ。
「これは貴方が考えたのですか?」
食べた大人の一人が尋ねたので頷く。
「美味しいですよね?これはべっこう飴と言います。作り方は簡単なので見ていきますか?」
「え?教えてもらえるのですか!?」
こういう技術は普通極秘にする人が殆どみたい。いやいや、極秘もなにもこの色で一目見たら分かる人にはいつか知れることだし。私は他にと作りたいものはある。
「美味しいが家で作れたら最高ですよね」
「それはまあ、そうなのですが。本当に教えてよろしいのですか?」
「構いませんよ!」
といって、パッションピンクの大根に似たなにかを物質を液体にする機械にセットする。そして一瞬で液状になる。さすが先を行く科学文明。
それをアルミに似たなにかに入れると棒のなにかをポンと置く。ホットプレートみたいなものは温度を上げて、直ぐに固まる。
固まるってことは、砂糖に近いなにかなんだろうね。
「これで完成です。ほら、簡単」
「ほ、本当に一瞬で」
あまりの簡単さに周りもざわざわする。
「あ、この飴どうしよう」
「争奪戦になるのでここで誰かに渡すのはやめた方が良いです」
「それもそうですねっ。じゃあ、一応保管しておこっかな」
べっこう飴を作るプレートには、全て記録したのでやりたい人はやるといいよと場所を譲る。異世界技術で温度とかを記憶してくれるんだからすごい。
ホットプレートっぽいなにかを次々置いていくと他の子達も自分も手伝おうと持っていく。パッションピンクの砂糖はコピー機により既にコピー量産しているので、無くなることはない。しかし、あの琥珀色のべっこう飴を食べたいなあ。
「なぁ、お前前々から変わってたけど今回はすげえ美味いの作ったよな」
凄く褒められた。照れていると最初に口に入れた子達が私にわらわらと、集まる。
「うまかったが次はいきなり渡してくるなよ」
仲良し組の一人の男の子が悪態をつく。でも美味しかったから完食したんだよね??
それに、彼らもホットプレートもどきで飴をちゃっかり焼いている。大人は遠慮するかもと気にしたけど、甘さの前に建前もなにもなく一緒になって焼いていて、みんな楽しそうだ。
砂糖が確保できれば幅が広がる。みんなはべっこう飴をひたすら食べたりして、夢中になっていたが、他にもレシピはある。
というわけで、次に作ったのは水飴。レシピは頭の中にある。わたしは水飴の作り方なんて、調べたことはないのにね。
部屋で作って成功すると、それを持ってみんながべっこう飴を作っている部屋へ移動する。どうやら開発したわたしを、尊敬の目で見ているみたいで、目がキラキラしていた。
なんだか、めちゃくちゃ照れる。




