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異世界宇宙な日々〜べっこう飴はパッションピンク〜  作者: リーシャ


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1/3

01

 転生する小説は今となっては定番。それは異世界だったり、同じ地球だったり。私も例に漏れず転生したんだけど、なんだか定番じゃなかった。


 生まれた時は異世界じゃと期待した。期待したけど思ってたんと違う、と赤子で終えた。いや、赤子っていうか、クローン?みたいなやり方で生まれた。

 カプセルで育ったみたいだが、意識が芽生えたのは9才の頃。クローンだけど、見た目は違うみたいでわたしを作るように依頼した人が自分の子供を欲しがったらしく私が作られたらしい。異世界すごい。地球ならタブーである。



「ねえ!ねえ!またつくってよ!クッキー」


「あ!おれが先だぞ!マフィンがいい!」


 地球と現代の知識を有し、私の作る食べ物を食べさせたら、みんな顔がとろけて幸せそうな声をあげた。どうもこの異世界のご飯は美味しくない。

 無味って言った方がいいかな。プロテインバーの、見た目をした棒をひたすら食べる。栄養源はすごいんだが、いかんせん味がない。

 食べても美味しくない。あと、知らないはずのご飯の知識もある。


「炊き込みご飯食べたい!」


「たこ焼きがいーの!」


 私の食を巡る争いは子供だけに治らない。大人も普通に目の色を変えてバトルする。


「待ちなさい」


「そ、総督!」


 この異世界のトップがナチュラルに参戦するのやばい。


「わたしは前に食べたキムチチャーハンがいい」


「総督には作ってくれるお抱えの料理人がちるでしょ」


「はっはっは」


 いや、惑わされんよ?


「わたしはあれみたい!探偵の子供の話」


「命探偵ロマン!続きみたい」


「私も!」


 シナリオを知らないのに知識があったもののひとつだ。今もなぜか、記憶が最新に更新される。そのほかのものもね。

 私の頭と有料コンテンツでも繋がっているのかもしれない。あながち間違ってもない。今も更新されているということは繋がっていることの証明になっている。


 しかし、地球の詳しい情報は入ってこないからなにか条件があるのかも。という話はおいおい語るとして、ここに来るまでの過程がとっても遠いような、楽しかったような。


 みんな驚く顔が嬉しくて、ついつい作ってしまう。生まれた時から全てははじまるのだが、不肖私、語らせてもらいます。

 目を開けたのが9歳だと言ったのだが、誰の子供かというと、それはちゃんと知っている。けど、いわゆるコロニーで子供同士で固められて育てられていくから子供同士のコミュニケーションの方が圧倒的に機会は多かった。


 この異世界がいいところは、落ちこぼれであっても見捨てられることなく、平均的に育てられることだと思う。小説だと差別とか、扱いとか差が酷くて残酷な話が多いから、結構ハラハラしていたんだけどね。


 キッチンとかも勿論完備。自由にしてもいいが、子供も大人も保存食=栄養満点バーみたいなものを、食べていた。


 当然の流れで、私は頭がぷっつりとなった。毎日毎日同じ味!気が狂うかと思いましたねえ!


 嫌がらせとか規則とか、そんなのではなく単純に美味しさに対しての概念が極まっていただけなので食糧庫とも呼べないところを漁りまくってなんとか地球と似た味の食べ物を探し出した。


 初めて作ったのはパッションピンクのべっこう飴だった。初めて嗅ぐであろう、匂いを遠巻きに見ていた子達を無視して突撃したのは、同じ年齢の子だった。仲良し組ってやつ。


「やめろ!変なもんよこすな!」


 定番の異世界の服を着ている彼らに嫌そうな顔をされながらもむりやり食べさせた。大丈夫、味は保証するからさ。


「変なもん食わすとか怒るぞ」


 渋々彼らはそれを舐め始めた。恐る恐る、死ぬかもしれないという顔をして。


「!!!!!」


「!!──え?」


「う、うううう、うめえ!」


「ふっふーん!でしょ?でしょ?」


 私だって原料となる素材を目にしたときに「これって食材なのか?」と今でも信じられない。

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