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ジュラシック•アイランド  作者: ダイナ
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ダイナミクス島


 恐竜。


 それは今から3億年もの前に出現し、6600万年前に絶滅した古代の生き物である。


 恐竜は「恐ろしいトカゲ」と言う英名から名付けられたもで、その種類は多岐にわたる。


有名なのはティラノサウルスを代表とする獣脚類だが、他にもトリケラトプスなどの鳥盤類、ブラキオサウルスなどの竜脚類も存在する。


 しかし、古代の生き物全てが恐竜なわけではない。かのシリーズで有名となったモササウルス、プテラノドンなんかは特にそうだ。恐竜の定義とは「直角歩行に適した骨格を持った爬虫類」であり、ワニのような体から横向きに手足が生えているものは恐竜とは呼ばれない。そのような骨格を持った爬虫類は現在では存在しておらず、唯一鳥類のみは恐竜から進化した子孫として想像されている。


 そんなすでに絶滅した恐竜ではあるが、当然ながら生きている個体はいない。ここ最近でミイラ化している個体が発見されはしたものの、その心臓は停止しており今現在地下にも大陸にも海の中にも恐竜と呼ばれるものは存在していない。


 しかし、だからと言っていないと言いきれるわけでもないのだ。前述の通り恐竜は鳥類に進化したと考えられてはいるものの、未だ人類は地球の全てを解き明かしたわけではない。可能性が低いだけでいないわけではないのだ。だからこそ、どこかの島などに恐竜が存在している可能性もあり...地下などは特にその可能性があるのだ。


そんな恐竜が生きているのではと噂されている島がある。世界各地にそう言う無人島は多々あるのだが、日本にもその領海域にそんな島がある。その島こそがダイナミクス島だった。


20XX年、地下変動によってプレートの一部が大きく隆起し、日本はその影響を大きく受けた。巨大な地震による大災害で首都もパニックに陥る中、衛星はその新たに出現した島を捉えたのだ。


島といっても、それは大地の隆起なため植物一つもありはしない。むしろ島というよりは岩肌と言っても良かっただろう。しかし日本は災害でできたその岩肌を島とし、世界に認めさせた。災害直後ということもあり、新たな日本の名物スポットを日本がそう手放すわけもなく、島は観光名所となった。さらに都合のいいことに、その島は沖ノ鳥島のように水没してしまうような危険もなく、むしろ数年後には植物の芽すら芽吹き始めた。何かしらの渡り鳥によるものだろうが、これを受けて日本政府はその島に植物を植えることを決定。特にシダ植物はその島に何故かよく適応したため数年後には鳥だけとはいえその島で生態系ができるほどまでに成長した。


 もはや完全に島となったその島はそれまでの名称...岩盤島ではなく他の名称をつけることになった。色々な名称が考えられる中、シダ植物だらけで古代の雰囲気を感じられるその島はその雰囲気と、近年に発見された島の奥深くにある人1人がギリギリ入れるような未知の洞窟からダイナミクス島と名付けられた。


 災害後の日本にとって一番の目玉であり修学旅行先にまでなっていたその島に、ここ最近は不穏なニュースが飛び交うようになっていた。


曰く、洞窟の調査が進まない。人1人が入れるくらいの洞窟は開拓により大型の機械が入れるくらいになってはいたが、数百メートル進んでもその全体が見えてこないのだ。それどころか、ある程度進んでも謎の霧のようなものが出てきて洞窟近辺に戻させられる始末。ソナーも何も聞かず、仕方なく探検隊等を組んでみればその探検隊は数百メートルどころか数メートル進んだ先で消息が途絶える始末。明らかにすでに開拓したはずの場所で何故か突然探検隊は消えてしまったのだ。


これを受けて各国から調査隊が出動したが、大型の機械で進めば何故か戻され、ならバイクなどの小型の機械で進んでいけばやはり消息が途絶えてしまう。何故大型の機械では戻されるのか、そもそも消息が途絶えた調査隊の人間はどこに行ったのか。それがわからないまま、しかしこの日修学旅行としてまた新たな学校がやってきたのだった。




 ダイナミクス島。数年前に日本で起きた災害時に発見されたその島に、俺たちは修学旅行に来ていた。ホテルで他のルームメイトがそれぞれ友人に会いにいく中、俺、中村裕也はベッドで音楽を聴いていた。


ん?お前も友人に会いに行かないのかって?バカをいえ、こちとら万年ぼっちだ。そもそも俺の話は他のクラスメイトとは合わないしな。ポケットを漁りそれを取り出す。


ラプトルの爪。ミニチュアでもオモチャでもないそれは本物の化石である。俺の両親は2人とも考古学者で、父親は恐竜、母親はそれ以外の古生代の生き物を研究している。このラプトルの爪は幼い時に貰ったお守りのようなものである。そんなわけで両親2人が古代マニアな俺は当然自分自身も古代マニアになった。機会があれば両親に付き合って化石探査の手伝いをすることもある。まぁほとんどないが。


そんな根っからの古代マニアな俺は当然話の主題が恐竜とかその関係になる。アニメとかも知ってはいるが人並みくらいのものだ。そんな俺が他の人と話が合うはずもなく、昔から古代オタク、なんて呼ばれたりもしているが...。それはどうでもいい。


とにかく、俺は1人でホテルの中で過ごしていたのだが...何故か外から喧騒が聞こえる。気になって窓から覗いて見るとどうやら工事現場のおっさんらしき人が慌てて逃げてきたらしい。そういえば、近くには洞窟があってそこの調査をしている人たちがいるとか。恐竜が出る、なんて噂もあるらしいが...ハッ、馬鹿らしい。そりゃ夢があるが、現代では恐竜は発見されていないのだ。それが洞窟内部...もしくは地下に?なら何で今まで見つかってこなかったって話だろう。もし恐竜がいたとしても、それは化石としてだろうな。


それ以降喧騒が収まったのを見て、俺はベッドに戻る。もういい時間なのを見て、俺は1人夢の中へと旅立った。




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