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それではお楽しみ下さい。
福岡県福岡市 早良区百道浜。砂浜を軽快な足運びでランニングをしている眼鏡の美少女、千早歩美。百道学園高等部二年の陸上部女子キャプテンだ。黒い長髪を後ろに束ねて走る姿は凛として美しい。
「千早さーん、ま、待って・・・・・・うわっ」
歩美の後を砂に足を取られて躓きながら、必死に追いかけるのは陸上部マネージャーで、同じく二年の大野佑。見た目は童顔で、草食系男子だ。
「ほら、こんなんじゃ、今度のスポーツ大会でしっかり走れないよ。大野君、選手として出るんでしょ?」
前を走る歩美が、佑の方に振り返り声を掛ける。
「陸上部だからって、僕はマネージャーなのに・・・・・・学校行事とは言え、しかも男女混合リレーに選ばれるなんて」
パワーベストやパワーリスト等の負荷を全身に付けながら走っていた佑が、自信無さげな顔と声色で泣き言を零す。
「文句があるなら、アイツに言ったら? 新しく赴任して来たと思ったら、スポーツ大会の種目に新しく男女混合リレーを入れるんだもの。いつものサッカーとバスケとビーチバレーで良かったじゃない。何考えてんだか・・・・・・」
「そ、そうだね・・・・・・」
歩美が親指で後ろの海を指差す。そこには、小柄で小麦色に焼けた肌の男性が水上バイクで水飛沫を上げながら、涼しそうに疾走していた。スキンヘッドにサングラスと白い歯が良く映える。
「ハッハー! セイ! フゥ~!」
一週間前。朝の全校集会で壇上に立つ、スキンヘッドの男性教諭。
「皆さん、初めまして。今日から体育の担当として赴任してきたジョンソン直人です。陸上部の顧問も兼任致しますので、これから、宜しくお願いします」
ジョンソンが壇上から、全校生徒に向かって一礼する。生徒や教師達からの拍手の中、ジョンソンが再びマイクを握る。
「あと、言い忘れていましたが、私、今年のスポーツ大会の種目に男女混合マイルリレーを追加させて頂きました。そして、そのメンバーはこちらで選出するので、あしからず」
一週間後、再び現在に戻る。