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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

夢歩き

作者: 覇気草
掲載日:2022/05/08

一時間ほどで仕上げた「なんだこれ」って感じの詩のような何か。

 



 ようこそいらっしゃいました。夢の世界へ。


 案内人は私でございます。


 名前ですか? 名前などありませんよ。




 それでは目の前にある質素な木の扉を開けて中へ入りましょう。


 最初の世界は迷路。あなたは何を悩んでるんでしょうね。とにかくお進みください。


 ・・・おや、おやおや? 出口が分からない? 仕方ありませんね。ズルをしましょうか。


 ほーら、上から見たら迷路なんて簡単・・・ふふ、あなたの悩みは随分と深刻なようで・・・。


 迷路はこれで終わりです。次の扉を通りましょう。




 二つ目の世界は嘔吐。そんなに吐き出したいことがあるんですか。それとも、ただ酔いたいだけ?


 吐いてる人が沢山いますね。私も吐いてしまいそう。あなたはどうです? 吐かない・・・そう。


 気になることでもありました? ああ、あなたの親ですか。盛大に吐いてますね。


 背中をさするのですか。お優しい。吐きたくて吐いてるだけなのに・・・。


 気は済んだでしょう。さぁさぁ、次の扉を通りましょう。




 三つ目の世界は死体。色々な死体がありますね。これなんてどうです、芸術的なクシ刺し。


 ・・・良くない。私の知る方法なら天にも昇る気分になれるんですがね。


 何を探してるんです? 花・・・ですか。お人好しですね。そういうの、嫌いじゃないです。


 どうぞ、花です。この花は何かって? 慈悲の意味を持つ花、とだけ答えておきましょう。


 ・・・・・・随分と時間を取りました。お次の扉を通りましょう。




 四つ目の世界は団地。よく分からない人たちが住んでいます。えっ、挨拶するの?


 ははは、だから言ったでしょう。よく分からない人がいると。追われるなんてツイてないですね。


 まだ続けますか。あっ、いい人に出会えましたね。それはあなた自身です。良くない?


 何もその場で殺さなくてもいいと思いますがね。まぁ、過ぎたことです。え? 花はいらない?


 そう言わずに、サービスですから。では次の扉を通りましょう。




 五つ目の世界は電車。ガタンゴトン、ガタンゴトン、イイリズムです。怖いですか?


 何処に行こうというのですか? 動く電車に出口なんてありませんよ。


 周りにいる影は何かって、電車と言えば目的地に運ぶ乗り物ですしね。推して知るべし。


 すぐに降りたいのですか・・・と言いまして、次の目的地までもう止まりませんよ?


 いいから出して、と。わかりました。仕方ないので次の扉を通りましょう。




 六つ目の世界は絵画。素晴らしい絵が飾られていますね。この絵なんて傑作だと思いませんか?


 ・・・見ないで、ねぇ。まるで見せているかのようなのに、勿体ないじゃないですか。


 ふふ、どんなにしたって外れも壊せもしないですよ。それは――痛いですね。


 耳も目も塞いだところで、絵は逃げないし動きはしませんよ。


 ここにいても仕方がありませんからね。次の扉に通りますか。




 七つ目の世界はリアル。いい街並みですね。人が全くいないということを除けば。


 あらあら、見つけてしまいましたか。行っていいですよ。確かめたいのでしょう?


 あー、見てしまいましたか。そうですよ、これはあなたです。これも殺すのですか・・・。


 いやはや、あなたは随分と面白い。それで両親には花を添えたいと。いいですよ、どうぞ。


 花言葉は自由です。ではでは次の扉を通りましょう。




 八つ目の世界はお腹。何の、誰のお腹だなんて、言う必要はありますか?


 母親ではないですよ。人間かどうかも怪しいですね。え? じゃあ自分は何なのかって?


 大丈夫です。あなたは人間です。でなければ、私がいるわけないじゃないですか。


 答えを求めても、答えは見つかりはしませんよ。私に問い掛けても、私が答えるわけがない。


 ヒントならあげましょう。長い道の先にありますよ。最後の扉を通りましょう。




 九つ目の世界は時計。チクタク、チクタク、ゴーンゴーン。回る時計は戻らない。


 チッチッチッチッ、ピピピッピピピッ。起きる時間だ急いでね。出口はあちらだ、さぁどうぞ。


 私はここに、あなたはあちらへ、悩んでいる時間はございません。気にせず進め、振り向くな。


 走って走ってもうすぐさ。回る世界は止まらない。君の明日に祝福を。私の明日に後悔を。


 夢の中なら会えますよ。またのご来場、お待ちしております。



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