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51話 最終フォルムへ変身

「じゃーもーこの国おとすわ。ティアちゃんにエロ同人みたいなことするのが、今の俺の夢だったけど、もう記憶戻る前の夢だけでも叶えることにする。その後ティアちゃん探すわ」

「えろどうじん?」

「させません!」

「クラシオン」


 えろどうじんについては私も説明できませんと伝えると、いやそこじゃないと旦那様に応えられた。

 オスクロが、お前転生前もリア充だったわけ、と嫌そうに顔を顰めていたので、素直に前世の私の死亡年齢を伝えたら、意外だったのか驚いた様子を見せた。


「ちいさなおともだちかよ」

「ではオスクロは、おおきなおともだち?」

「うん。嵌った時から既にな」

「いや待て、そこを話している場合じゃないだろう」


 ああ、そうでした。旦那様の言葉にオスクロ共々、我に返る。


「なんだよ、リア充。ヤキモチか?」

「な、違っ! 確かに敵同士なのに、いやに話が合うなとは思うが」

「ちっちぇえ」

「黙れ!」


 お互いスプレもスプリミも知っているのだから、オスクロと話が合うのは当然のことだわ。敵同士でなければ、お互いおすすめの話とか出来そう。お茶友達になれたかもしれない。

 でも、私と彼は敵同士。最終戦をこなさないといけないわね。


「じゃあ口上聞いてやるから、スプリミ最終戦の五人で決めるやつやって」

「え?!」

「お任せ下さい!」

「するのか?!」


 お互い知ってるのに、と戸惑う旦那様。これはラングシリーズでは必要不可欠なもの。さすがオスクロ、分かっているわね。


「人々が集まる神聖な場所で、卑怯な手口で人々を惑わし、悪事を働く闇の根源。

 これ以上の勝手を許すわけにはいきません!」


「するのか……」

「リア充、静かにしろ。大事なとこだかんな」

「ええ……」


「例え闇の力が強く荒れようとも、挫けぬ心で光を呼び、災いを退け静けさを取り戻してみせましょう!

 私達は! 優しさと正義を愛する心を持って、悪事に立ち向かい打ち破る五つの希望!

 彩る愛の輝きで世界を変える者達!

 人々を恐怖に陥れた数々の非道の行い、この場できっちり償ってもらいます!

 これが貴方と私達の最後の戦い! ラブリィブレッシング・スプレンダー リミテ!

 誠心誠意この拳を振り、悪を討ってみせましょう! 私達が! お相手します!」


「おおー! 生口上!」

「長い……」


 パチパチ拍手をもらった。最初こそ嬉しそうにしていたオスクロも、拍手が鳴り止む頃には陰鬱とした表情に様変わりしていた。


「五人揃ってるので見たかったわー」

「最後まで聞いといて、文句をつけるのか」

「ティアちゃんどこだろなー」


 大きく溜息を吐くオスクロ。彼の望みは、フスティーシアをはじめとした私達五人の戦士と全力で戦うことなのだわ。

 確かに私一人では心許ない。けれど、私には旦那様がいるわ。洗脳の解けた旦那様が。

 それに四人は力を貸してくれる。大丈夫。


「じゃあやるかー。クラシオン、歴代ラングの中でも強えし」

「負けません!」

「じゃ場所移ろ。二人でスプレ、スプリミ談義しながら戦おうぜ」

「え?」

「待て!」


 私とオスクロだけを転移させた。旦那様が咄嗟に私を抱えなければ、旦那様まで一緒に転移されることはなかっただろう。


「げえ、お前くんなし」

「クラシオンを一人にさせるわけないだろう!」

「うざー。お前、マジで爆発しろよ」

「!」


 急に表情が変わった。先程、国を陥れる発言をした時と同じ。これはオスクロが本気で戦う印だわ。


「旦那様!」


 その場を飛び去ると、旦那様のいた場所が、オスクロの言葉通り爆発した。何も兆候なく爆発するなんて。アルコとフレチャに授けた魔法はオスクロにとってみれば、子供の遊びなような代物。そう言えるぐらい、彼の魔法の力の強さが段違いだわ。


「どこまで避けられるかやってみ」

「なっ!」


 様々な魔法が目に留められるギリギリの速さで迫ってくる。避けたり、相殺するだけで精一杯の物量。強化した身体で受けても、それなりのダメージになる。

 スプレ、スプリミ本編通り、危機的な状況に陥るなんて。今までなら例え敵がいても、ここまで消耗することはなかった。旦那様の助けもあった。なのに、ここまで歯が立たないなんて。


「クラシオン」

「大丈夫です、旦那様」


 ティアちゃん探しにさっさと終わらせるかと軽く息を吐くオスクロ。私達からの攻撃を一切受けていないから、当然無傷で余裕の体だ。


「やはり、オスクロ。ここまでとは」

「どーも」

「しかし私達は負けられない……ならば、私も戦士として最終段階へいかねばなりません」

「え? な、何かやるのか?」

「お、いいよ。待ってる」


 旦那様が相変わらず戸惑っているのに対し、オスクロは期待をしているのか瞳を輝かせた。


「悪を討つためなら、戦士はいかなる時でも進化するものです!」

「え?」


 たとえ手の内を知られていても、やらなければならない時がある。それはスプレでもスプリミでも同じことだわ。


「もう一段階変身します!」

「変身?! これ以上?!」


 音だって衣装だって用意していたのだから、やるしかないのだわ。


 パアン!!


「私達は! 諦めない!」


 カッ!!


「光り輝く力を抱いて!」


 パアアア!!


「変身!」


「ルフ・フォルムラリオ!」


 ドオオオン!!


「おお!」

「いつ用意したんだ……」

たくさんの小説の中からお読み頂きありがとうございます。


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