第16話 粘液的な生き物を手なずけるのは人生初だ
どうしてこうなった……? 俺の目の前には粘液的な生き物がいる。
いわゆるスライムという奴だ。そんな不可思議な生き物が俺の腕の中にいる。
『ご主人……ポヨポヨ……どうしたの? 眠い……ご飯……食べたい』
「どうしたラムル? お腹空いたのか? ならばこのとっておきの缶詰をプレゼントだな」
ラムルというのは俺がこのスライムに名付けた名前だ。缶詰を上げると缶ごとラムルは吸収した。
『美味しいね、ご飯美味しい……眠るねフアア……』
しかもこいつは生まれたばかりなのに俺と言語のやり取りができるのだ。
念話というやつだが殆ど会話が出来ている。
どうも従魔契約という奴を結べば出来るようだが……これもシステムの一部なのかな?
そんなこともありラムルは可愛い。
ラムルに出会えたことはある意味奇跡だった。
こいつは突然俺に付いてきたから……最初は敵だと思ったけど……何度もついてくるから仲間にして欲しいと思ったからか俺は安心して受け入れた。
ラムルとの生活は慣れた。たまに食料を取りに行くとき一緒に行くけどゴブリン程度ならラムルは倒せるようになっている。
そして俺が暇そうにしているとかまって欲しいのかなんだか人型の少女の姿になる。
変身能力を持っているのはスライムの特徴なのだろうか?
ラムルは少女の姿になって俺を楽しませようとする。
体を密着させて男が喜びそうなことをする。
スライムに性別はあるのだろうか? ないのなら両性具有ということになるが……まあでもラムルはなんか俺のことが好きなだけだよな~
「お兄ちゃん……」
「ラムル……どうしたんだい?」
「もよもよするの……遊びたい……ボール遊び」
そうしてボール遊びをする。
ふわふわのソフトクリームを食べつつ……ラムルは楽しむ。
ラムルもフードコートのソフトクリームを食べる。
他にもフードコートのマクロナルドのハンバーガーを自分たちで作って食べた。
幸いハンバーグのパティやバンズは冷凍されていたので腐ってなかった。
これで自分たちで食べたのだ。
ショッピングモールは他にも人はいないのだろうかと思っていたがいないようだここのショッピングモールには。
俺たちは家に戻って来た。
家にはバリアを張っていたのでもちろん無事だった。
ラムルは家での生活がなかなかに様になっていた。
でも家の周りが悲惨なことになっていた。