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新・封神演義  作者: 和泉和佳
1/1

一、始まり

見た目も名前もスペックもフツー高校生佐藤正司クンが頑張るところを生暖かく見守ってて下されば幸いです。

 老人が椅子に縛られた男の周りをゆっくり歩いている。

 それを見ながら男は冷や汗をかき大層に震えている。

 ふと老人はサイドテーブルの前で立ち止まり白酒(パイチュウ)を杯に注ぐとなにやら語り始めた。

「記録にすら残っていない昔のこと。

 太公望と言う道士が″神″と″人″の完全分離を成しこの世から呪術魔法の類いを一切消し去った。

 呪術魔法の恩恵を受けられなくなった世界で人々は技術を発展させ、やがては高度な文明を築きあげた。

 神がいなくとも人は繁栄し発展してゆくことが充分にできたのだ。

 いや……それはいなかったからこそ叶ったことだった。

 しかしその反面、人間一人一人が個々の考えを持ったことで反発や衝突が起こり、それは差別や戦争に発展した。

 そのため、理不尽や不幸が無くなることはなかったのだ。そうなるとやはり人々は新たな神を夢想し崇拝し始めたのだ。

 何と滑稽なことか!

 自ら追い出した神をまたも崇拝しているなどと!」

 老人は語り終えるとクイッと杯を呷った。

 男は老人がとても正気などと思えなかった。


 さっきから何を言っている?


 太公望?


 神?人?


 呪術だ魔法だ……そんなものハナからある筈がなかろうに!


 すると、老人がおもむろに男の肩に手を置いた。

「さて…偉大な国家首席殿。お主に皇帝の資質はあろうかの?」

 その瞬間、男の前に雷が落ちた。

 気付けば老人は地にひれ伏しており目の前には…

 孔雀色に輝く鱗に黄金の角、全体的に鹿のような形をしているが大きさが馬ほどに大きい。


 それは、伝説や御伽話で出てくる麒麟。


 男は生唾を飲んだ。


 ほ本物か?いイヤ………。まさか!!


 麒麟は男を暫くじっと見ていたが次第にたてがみが逆立ちウゥッと唸り始めた。すると、瞬く間に巨大な龍へと姿を変え大きな口をガパァと開けると男を一飲みにしてしまった。

「やれやれ……。国家首席もこんなものか。」

 老人はため息混じりにもう一杯白酒を呷った。


 翌日、某国国家首席の徐旺成首席が逝去したと世界中にトップニュースで流れた。


 マーガリン塗ったトーストを食みながらボーッとそれをテレビで佐藤正司(さとうまさし)(15才東町第一高校に通う)は見ていた。当然他人事だと思っていたのだ。

某国の誰々さんはプーさんでキレてたから不味かったかなぁ………。

今さらだけど。

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