第5節 幸せな日々はその笑顔の先に
お久しぶりです! 一応、次の話でいったんお話は終わりです! ハカセとレコの物語の結末、ようやく皆さんにお届けできますね……
「さて、これがレコが目覚めるまでの話だな」
「はぇー……そんなことが、あった、ん、だね?」
なんとも歯切れの悪い回答をしてしまった。
まぁ、現実味はちょっと薄い。ハカセが私の実のお兄ちゃんです、って言われてもよく分からなかったが、ドール誕生の話を聞かされてもなんとなく……へー、そうなんだみたいにしか感じられなかったというか。
記憶が戻りかけてはいると言っても完全に戻ったわけでもなく、ぼんやりと記憶の中にある程度の話なので尚更である。
「まあ……そうなるよな……正直、急にお兄ちゃんですって言われても困るだろうし」
「え? あ、うん……」
見透かされたようにハカセにそう言われてしまい、渋い顔になってしまう。
お兄ちゃん……お兄ちゃんかぁ……
「……おにい、ちゃん?」
「ん? なんだ?」
「あ、ううん。呼んでみただけ…… なんか、実感も湧かないから、呼べば、ちょっとは現実味をおびるかなーって」
「そのくらいで何とかなるならこの前ので思い出してるだろ?」
「んむ……それは、確かに」
そう、少し前に、私はハカセのことをお兄ちゃんと呼んでいるのだ。
その時も結局、実感は湧かなかったから、呼んだくらいでなんとかなるなら、苦労はしない。
「ま、別に思い出さなくてもいいさ。俺はもう既に今の生活にかなり愛着も湧いてるしな」
「ドールのみんなとの、生活が……って、こと?」
「そうそう。なんだかんだ、もう何年もこの生活続けてるしな。どのドールも、今では俺の良き相棒みたいなもんだ。もちろん、レコ、お前だってそうだぞ」
「んぇ……? そう、なの?」
「あぁ。見た目は確かに妹と同じだけどな、髪の色も違うし、髪もだいぶ伸びてるしなぁ」
「同じくらいの長さにしようか?」
「はは、別にそこまで寄せなくていいよ」
ハカセはそう言って笑い、置いてあったコーヒーに口をつけた。
先程の話を語っている間にすっかりとコーヒーは冷めていたらしく、ハカセはなんとも言えない顔でそのコーヒーを飲み干した。
「とにかく! 俺は今でも幸せなんだ、だから、レコも無理しなくていい、ってことだ」
「う、うん……分かった、そうする」
こうして、私とハカセのいざこざは幕を閉じたのだった。




