第3節 星空少女は度胸がない
まーた長らく空いてしまった
かちゃかちゃと、食器が動く音が響く。唐突に始まったお茶会は会話もなく続いていく。
互いに思うところがあるのに、進まない会話。なんとも言えない雰囲気に包まれる休憩室は膠着状態が続いていた。
「あの……」
「ぴ、ぴぃ!? な、なんですか?」
「えっと……ご、ご趣味は?」
「え? あ、えっと……その、プランニングを、少々」
「プランニング……ですか?」
上手く話題を作ろうとなんともお見合いみたいな質問をするタイム。だが、その質問は割と良い方向性であった。
「は、はい……その、様々なプランを、立てるんです。依頼者によって、様々ですけど……よく、依頼されるのは……旅行のプランが多い、ですね」
「へぇ……? 旅行ですか。あ、素朴な疑問なんですけど私たちって旅行とか行っていいんでしたっけ……?」
「えっ? あ、えっと、ハカセに、許可取れば……行けます、けど」
「……じゃあ、今度、旅行行きます? ほら、私は時間の管理とか得意なので、プラネさんのプランで上手く色んなところ回る感じで」
その言葉にプラネはぴくりと反応した。それをタイムは見逃さなかった。
「あと、私の時間管理ってGPS利用してるので自己位置の参照も出来るので、迷うこともないですよー」
「あ、え、えと……あの……」
「行きたく、ありませんか?」
「……い、いきま、す……」
「ふふ、じゃあ、早速プラン立てましょうか」
「そ、それ、なんですけど……じ、実はこれ……」
プラネはおずおずとSADを操作して今朝作ったプランを表示させる。
「うむ……? これは……山、ですか?」
「は、はい。山です」
「この山に……ほぅ……? へぇ……そう言う。いいですね、たまには都会を離れて星を見るというのも」
「ほ、ほんとですか……?」
「はい。じゃあ……えっと、これ、いつ行くんです?」
「明後日、です。実は丁度いい事に……流星群、見れそうなので」
ようやく念願叶って自分のプランにタイムを誘えたプラネは活き活きとした表情で語る。
タイムもプラネの目的を何とか引き出すことに成功し、ほっと胸をなでおろした。
「で、では……明日、買い出し……いきましょう」
「はい、ある程度は道具を揃えないとダメですからね」
「必要なものは……ピックアップ、してお……」
「あ、失礼。ぴんぽんぱんぽーん 午後4時頃をお知らせしまーすっ」
「ぴぃ!?」
「ごめんなさい、ちょうど時報の時間だったので……」
「そ、そう……なん、ですか…… と、とりあえず……その……えっと……」
「連絡先、交換しますか」
「あ、は、はい……!」
こうしてなんとも言えないお茶会は幕を閉じた。あの膠着状態が30分以上続いてたってほんとにひどいと思う。




