第7節 板面少女はまったりしたい
毎回読んでくれる方が何人かいるようで……拙い文章ですがこれからも頑張ります
実はパネルも昔はここまで怠惰ではなかった。他のドールと同じく色々なことをしていた。
しかしながら、派遣の中で双子ということもあり、パネルとボードはスペックを比べられるような事が何度もあった。
パネルは他のドールと比べてもかなりスペックが高い。それに引替え、機械の扱いが不得手なボードは家事系の仕事しか出来ないようなドールである。
ボード本人はそれを気にしてはいなかったが、耐えられなかったのはパネルの方である。
パネルは突然自分のスペックを全くと言っていいほど活かさず、仕事を怠け始めた。
その行動をハカセは容認したが、ボードはなぜパネルがそんなことをするのか全くわからなかった。
『この世の中には姉に劣る妹はいないのさ』
パネルはいつもそう言ってボードには何も話さず、段々と派遣の回数も減り、部屋に引こもるようになって行った。
ボードは心配して何度も部屋を訪ねてはパネルを働かせようと努力した。 それは全て無駄に終わったが
そんな生活を続けていた2人だが、ある日パネルの一言により状況が一変した。
『ボードもたまには休めばいいと思うよ』
「え?」
休む、ということをボードはあまりしない。別に働き詰めという訳でもないのだが、自らの意思で休みを選択するということはなかった。
その為、パネルの言葉にどうすればいいのか分からないという顔をしていた。
『もう。とりあえず今日はこの部屋から出さないから』
「えっ で、でも……」
『なに』
「ぅ……」
パネルの気迫に押され、ボードは渋々その提案を了承した。その日はボードは派遣は入っていなかった為特に問題はなかったのだが、基本的に派遣の入ってない日はボードは掃除などの家事をして過ごしていたのでなんとも落ち着かない日になりそうだった。
『今日は1日かけてこれを見る』
「え? これは……なに?」
『アニメ。いいから見る』
テレビに繋いでいた端末にデータの入ったチップを入れて映像を再生する。映像データや音楽データに関してはCDやDVDが完全になくなった訳では無いのだが、どちらかと言うと今はチップ型の方が主流である。
流れ出したアニメは双子の姉妹が困難を乗り越えて冒険をする話だった。困っている人を助け、成長していく2人。なんでも出来る姉と不器用な妹……正にパネルとボードのようなキャラクターが描かれていた。
何時間経っただろうか……気がつけば外は暗くなっていて、アニメも終盤に差し掛かっていた。
ずっと劣等感を抱いてきた妹が姉にその感情を吐露するシーンが流れた時パネルは画面から目を離すことなく喋り始めた。
「私はさ、ボードにはボードの良さがあると思うし、私には私の良さがあるの思う。でも、みんな、私の万能さしか見てない。それは私も嫌だし、それだけを見てボードと比べられるのも嫌」
「……パネル……」
「だから、ボードはボードのまま、得意なことで勝負していけばいいんだよ。私は……なんかもう疲れちゃったから、しばらくはまったりしたいな。それに……家事はボードの方が私より上手いしね」
アニメではパネルと似たようなことを言う姉に妹が泣きながら抱きつくシーンが流れ、エンディングを迎えた。
ボードはやっぱり自分の姉はすごい、そう思いながら、これからは姉を支えていこう。と決意を新たにしたのだった。
次回、本編+予告となります。存外長くなってしまった




