第6節 白黒少女は歌いたい 後編
ストックがないのと今期のアニメが面白いのが悪い
CMのような映像が止まり、曲のタイトルが表示された。今期放送されているアニメのオープニングテーマがスピーカーから流れ出す。
「~♪」
曲に合わせてパネルがマイクで歌い出す。元々かなりの美声であるパネルだが、歌声は更に凄まじかった。
黙ってパネルが歌うのを聞いているボード。曲自体はパネルの部屋でたまに流れている曲だったため、何となく知っていたが、どうしていいか分からず様子を見るような形になっていた。
約5分程度の時間でパネルが歌い終わり、またCMのような映像が流れる。
『こんな感じ。じゃあ、ボードも歌ってみよっか』
「えっ あ、えっと……そうね……じゃあ、えっと」
ボードはどうやって曲を選んで入れるのかよく分からず、おどおどと自分の持っているものをあれやこれやと持ち替える。
『ん、SADの画面出して』
「う、うん」
見かねたパネルが指示を出し、時間はかかったが何とか選曲をして曲を入れる。
流れ出した音楽を聴きながら、とりあえずマイクを持ってたどたどしくボードは歌い始めた。
パネルほどではないが、やはりドールである為か、音感はだいぶある方で、緊張のため、声が震えているがなんとか普通に歌えている様子である。
パネルはその様子を見守りながら部屋に設置されているタンバリンをシャンシャンと鳴らしていた。演歌にタンバリンってなんともミスマッチな……
そのまま曲は無事終わり、歌い終わったボードはマイクを置いた。
『どう……? 楽しい?』
「……思ってたよりは、楽しい、かも……? 歌なんてほとんど歌ったことないから、かなり緊張するわ」
『そっか。じゃあ、今度は一緒に歌おうか』
「そ、そんなことも出来るの……?」
『まぁ、マイクが複数本あるのはそういうことだよね』
「そ、そっか。そうね、一緒に歌いましょ」
パネルはSADを操作して、曲を選曲する。その曲を聴いてボードは少し驚いた顔になる。
「……懐かしいよね、この曲」
「そうね……」
流れているのは少し昔のアニメの主題歌であった。ただ、パネルとボードにとってはこの曲は……忘れられない曲でもあった。
2人は息のあった歌声でその曲をデュエットする。先程緊張で声が震えていたのが嘘かのようにボードは上手く歌えていた。
一体となった2人の声がカラオケの部屋に響く。
そのまま歌い終えた2人はマイクを置き、しばらく黙ったまま歌も歌わず、ソファーに座っているのだった。
てへぺろ




