第4節 板平少女は心配性
前回のパネルの介入でネタバレされてるけど、カラオケ回です……
「ん……」
パネルが目を覚ますとまだ5時くらいだった。 いつもならそのまま二度寝するところだが、パネルはそのまま起き上がった。
「ボード、何してるの?」
「へっ!?」
ゴソゴソと動く影はビクリと身体を揺らした。パネルに見据えられているボードは恐る恐るそちらを振り向く。
「な、何もしてないわ」
「……何してるの?」
部屋が暗く、少し距離もあるため普通に喋るパネルはいつもと雰囲気が違うように思えた。ボードは観念したようにため息をつくとパネルの方へと歩いてきた。
距離が近付いたからかパネルはSADを起動し、いつもの会話スタイルに戻った。
『あぁ……うん、なんか、察した』
「せめて弁明と説明させて欲しいわ!?」
無駄に察しのいいパネルはボードの持つものである程度状況を察してしまった。
ボードが手に持っていたのは先日パネルがプレゼントした音楽プレイヤーだった。
『んー。よし、じゃあ、今日は外出しよう』
「……え?」
ボードが驚いた顔をする。そりゃそうである。普段外出なんて必要のない時は絶対したがらないパネルが外出しようと提案してきたのだ。 驚かない方が難しいと思う。私も絶対驚く。というか、今驚いてる。
『ちょっと、連れていきたいところがあるから、そこに行く』
「わ、分かったわ……」
『ハカセに一言、言っといて。私は外出の準備するから』
そう言ってパネルは布団に潜り込んだ。
「あ、あれ? 寝ちゃうの?」
「そりゃ、まだ5時だもん。私は眠い」
布団に潜った時点でSADをスリープにしたらしく普通に受け答えするパネル。 こういう機会じゃないとパネルの声ってあんまり聞けないんだなと思った。
「そ、そっか。何時に起こせばいい?」
「おひる」
「じゃあ、お昼ご飯の時に起こすわ」
「ん」
そのままパネルは眠りに落ちていった。ボードはそれを見届けると朝食の支度に向かった。
場所は変わってキッチン。
「今日のお昼から出かけるから家事任せてもいいかしら」
「うん、構わないよ。お掃除と夕飯の準備かな?」
「そうね、一応ある程度の準備はしていくから、大丈夫だと思うけど」
私はボードに家事を頼まれていた。元々説明していた通り、私は家事を手伝う方なのでボードが用事や仕事で抜けている時は結構引き受ける案件なので特に断る理由もない。
今日は予定もなく、リストとサイファの記録を編纂する作業が入っている程度だ。残留者にリストも居たはずなので特に問題はない。
「ちなみにどこに行くの?」
「それが、教えてもらってないの」
「えっ」
「パネルが連れていきたいところがあるって言うから」
「えっ」
行先を知らないことには驚いたが、パネルの提案で出かけるってことの方がさらに驚きである……ってまぁ、編纂してる時にはもう知ってるから、地の文としてはこう書くけど、どこに行くかも知ってる今となっては特に驚いてるわけも……
なんか、自分の出てるシーンの編纂って割と難しいかも。 間幕だったらまだしもメインシーンだし……
「とにかく、よろしく頼むわ、心配だけど……すごく」
「なんで今日はそんなに不安になってるの?」
「なんだか嫌な予感がするから、ね」
そのボードの予感が杞憂であれば良いなと、思う私であった。
って、カラオケまだ行ってないし、結局あれはなんだったんだろう……




