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人形(ドール)たちの成長記録(クロニクルレコード)  作者: 渡口七海
第2章 パネルボード編 白黒ツインズミュージック!
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間幕 歴史書少女はご立腹

「むぅ」


「どうしたよ、クロニ」


「不正アクセスされた。パネルに後で文句言う……」


すごい嫌そうな顔で呟くクロニ。さっきのライブ映像挿入のことを言っているのだろう。


面倒臭がりのくせにスペックだけは高いので悪戯などが手が込みすぎているのがパネルである。


「編集中のデータに侵入された上に編集を中断されてロックされちゃった……」


「流石はパネルだなぁ。電子系のスペックに関しては俺なんかよりも上だし」


ハカセも認める実力、パネル。ドールは変にとがってるキャラが多いが、パネルはパラメーターが一方向に振り切れすぎてるタイプ……ではないんだけど


その話はまた後でしよう


「クロニは超怒ってる。なんか、蕁麻疹出来そう」


「パネル、多分呼んでも来ないぞ」


「ボード呼んで」


「ボードは今、掃除中だから呼び出すのは忍びないな」


「むぅーーーーー」


クロニがホントにご立腹である。 仕方ないので作業を中断して一度機器の接続を解除する。


「ハカセ、ちょっとクロニの相手しててもらえる……?」


「お? 何かするのか、レコ」


「ちょっと、ね」


「ふーん。了解、じゃあ、ちょっと相手してるわ」


ハカセの了承を得て研究室から出る。そのまま向かったのはキッチンだった。


「あら、レコじゃないの」


「やっぱりここにいた」


そこに居たのはボードであった。エプロンをつけて何かを作っている。キッチンには甘い香りがたちこめていた。


「今、おやつ作ってるところなの」


「パネルに頼まれたんだね」


「よく分かったわね? って、もしかしてパネルがなにかした……?」


「そのまさかだよ……」


その言葉で苦笑いを浮かべながらボードは出来上がったものをお皿に並べていく。


「パネルが珍しくこんなもの作れって言うから何かと思ってたのよ。クロニへの対策ね、理解したわ」


そう言いながら私にそれを3つ、渡してきた。


「それ、持って行ってあげて。少しは機嫌も治ると思うし」


「ん、ありがと」


ボードと別れを告げて研究室に戻った。


「ハカセ、もど……って何これ!? 」


研究室が台風が過ぎ去ったあとのように散らかっていた。


「お、レコ、戻ったか……って、それもしかして」


「あ、うん、そうそう!」


「クロニ!」


「あぁん……?」


ハカセの声に悪鬼の様な顔でゆらりとこちらを向くクロニ。その口に出来うる限りの速さでボードに貰ったものを入れる。


「むぐっ!? んむ。んむんむ……」


「落ち着いた……?」


それはシュークリームであった。クロニの大好物のひとつでパネルはご機嫌取りのためにこれを最初から用意させていた、ということである。


「……ちっ 今回は許してやるの……」


「そ、そっか……」


なんか、この惨状がなぜ引き起こされたのかよく分からなくなったけど気にするだけ無駄な気もした。


シュークリーム1個で何とかなるならそれでも問題ない気もする。


「あむ」


私も貰った1つを食べてみたが流石はボード、すごく美味しい。


結局、ハカセ用に貰っていたもう1つのシュークリームもクロニが食べて事なきを得たのだった。

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