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第六話 河童の旅館

2/06追記。すみません。自分で読んでてどうにも面白くなさすぎるので、最初っから書き直しました。旧バージョンは一応カクヨムの方に残しておきます。登場人物はほとんど変わらないのですが、ユノがやって来る部分とかいろいろ内容変わりました。

まだの方、すみませんが最初から読み直してください。

あと、一身上の都合で勝手ながらですが……。明日から二日に一度投稿となります。


更に追記。先ほど『ライトノベル作法研究所』というサイトで似たようなタイトルの大手様が居らっしゃることを指摘され、全く知らなかったのですが訴えられるのも怖いので誰か一緒にタイトル考えてくださいませんか?いい案があれば感想等に書いてもらえると嬉しいです。


「いらっしゃいませ」


 そう言って俺たちを出迎えたのは背の低いおばあさんであった。背が低くて髪も真っ白だというのに姿勢が良くてハキハキと動くものだからずいぶんと若々しく見える。


 ここは草津の一般的な観光地より奥にある山をいくらか登ったところの旅館。山の中にぽつねんと立つ旅館の建物は造りこそ古めかしいものの、柱の一本一本に至るまで丁寧に整えられ、まるで時代劇の中に紛れ込んだようであった。

 ちなみに、なぜ山奥なのかと言えば一般人が宿泊しているところに異世界の神を泊めるわけにはいかないのだ、いろんな意味で危険すぎるので。

 ここの女将であろうそのおばあさんは


「では早速ご案内いたしますね」


 と言うと、スタスタとかなりのスピードで旅館の奥へと歩を進める。せっかち云々ではない競歩クラスのスピードに俺たちは慌てて靴を下駄箱にしまいそれを追った。ゴディタニナはそもそも靴を履いていなかった。

 って、いつからだ?神っぽい衣装で靴を履いていないのがあまりにも自然で気付かなかったが、最初からだと考えると衛生上の疑問を感じる。とはいえ神というものはそれ自体が超高位の浄化魔法のような物(非常に失礼)なのでまあいいか。


「ふむ。ここがオンセンと言う建物か」

「ここの空気、なんかゆで卵の匂いがする」


 微妙に勘違いした理解をしながら建物内を見回しているゴディタニナと早くも温泉の匂いを嗅ぎ当てつつあるユノを急かしながら、テキパキと館内を案内する女将さんについていく。


「ちなみに先輩、あの女将さんって……」


 出会った瞬間に妖気を感じたものの、特に襲ってきたわけでもない妖怪に突然幻術破りの術を使うのは失礼にあたるので、先輩に何者であるのか尋ねる。ちなみに俺の予想はたまたま善人に生まれた山姥。


「お前、看板見なかったのか?ここは『河童宿旅館』つってな、利根川に昔いた『禰々子河童』って言う河童の女親分が治めてた連中の一部が戦後に移住して作った旅館なんだよ。利根川も草津も結構霊的に強い場所だからこっち側相手の商売で結構稼げるらしい」


 ハズレか。残念。口の内で呟きつつ質問を口にする。


「じゃあ、このあたり一帯は河童のシマってことですか?」

「いや、そうでもない。あの婆さんーー三代目が抑えてるのはこの辺りだけで、山奥に行けば天狗なんかもいるし狸やイタチの化ける奴も結構いる。ちなみに此処の従業員にもイタチが居たはずだ」


 へえ、そうなんだレベルの話だが河童だと意識してみれば確かに従業員全体の身長が低い気がする。温泉猿ならぬ温泉ガッパというやつだろうか?というか河童って温水大丈夫なのか?

 いろいろ疑問が首をもたげるが、かなり足早に進む女将についていくには悩んでいるほどの暇はない。俺は諸々を後回しにして歩みを速めた。



 女将が俺たちを、もとい異世界の主神一行を案内したのは建物のかなり奥まったあたりにある広めの部屋であった。修学旅行とかで十人くらいで雑魚寝する部屋である。流石最上神、好待遇である。

 旅館の側もユノを一緒の部屋に泊められないのは承知しているようでゴディタニナを案内するとユノだけを呼び出し、隣の部屋へと連れて行った。


「それでは主神殿、我々は失礼します」

「また明日お迎えに上がります」


 そう言うと俺たちは部屋を辞した。


「しかし、せっかくこんな雰囲気のいい旅館まで来たってのにすぐさまUターンで帰るってのも残念だよなあ」


 廊下に出たとたん、異世界の主従の前で見せていた礼儀正しい佇まいを崩しついでにネクタイを緩め、ぼやくように言う先輩。


「そうですね。まだ時間ありますし電車遅らせて足湯でも使ってきますか?」

「いや、OLか!って、そうじゃなくてさあ」

「ん!?今珍しく先輩がツッコミに……」

「いやあ、ホントもったいねえなあ」


 俺が先輩に言いかけたのを強引に制し、なぜか先輩は執拗に残念がる。

 すると滞在用の石鹸などの入ったかごを持った従業員の一人が声をかけてくれた。


「せっかくいらしたんですし、晩御飯召し上がっていきますか?余ってる食材で雑に作る程度のものしか出せませんが」


 その言葉に先輩は我が意を得たりとばかりに


「じゃあ、そうさせてもらおうかな!そういうのを待っていたんだよ!悪いねぇ」


 さては最初から旅館のうまい飯が狙いだったのか?

 空いてる適当な部屋へ案内してくれようとした従業員の彼女に先輩は


「あ、そうだ」


 やや芝居がかった口調で声をかける。

 ま、さっきまでも小芝居してたけど。


「従者の彼女ですけど。向こうの作法だと、主従は一緒にご飯食べさせてもらえないらしいですし、よかったら僕達と一緒に食べられないか声をかけてもらっても?」


 と、付け加えるように言う狸オヤジもとい狸青年。

 マズイ、ツッコミ役が足りない!一人寂しく食べる羽目になってしまうところだったユノの心配より自分の心配をしてしまうのは、彼女のボケ気質を知っている故か。

 と気づいてもすでに遅い。何せどう見たって見知らぬ環境で一人でご飯を食べる少女を善意で食事に誘っているのだ。というか、事実善意だし……。


「それがよろしいかも知れませんね。分かりました、わたくしどもの方から声を掛けさせていただきます」

 

 そう言われた後に、先輩はにやりと笑った。って、善意じゃない!?

感想等もらえると嬉しいです。

2/06追記。すみません。自分で読んでてどうにも面白くなさすぎるので、最初っから書き直しました。旧バージョンは一応カクヨムの方に残しておきます。登場人物はほとんど変わらないのですが、ユノがやって来る部分とかいろいろ内容変わりました。

まだの方、すみませんが最初から読み直してください。

あと、一身上の都合で勝手ながらですが……。明日から二日に一度投稿となります。


更に追記。先ほど『ライトノベル作法研究所』というサイトで似たようなタイトルの大手様が居らっしゃることを指摘され、全く知らなかったのですが訴えられるのも怖いので誰か一緒にタイトル考えてくださいませんか?いい案があれば感想等に書いてもらえると嬉しいです。

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