表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

第5回 馬鹿が到達した。

蒜山高原を出て、車は順調に西へ向かう。

途中のトンネルで鳥取県に入り、そのまま米子自動車道を出て山陰道の無料区間へ。

高速道路とかバイパス沿いの風景と言うのは何処でも似たようなものなんだろうけれど、愛知県に比べるとやはりどこか長閑に見える。

どぎつい色の看板とか、四六時中ピカピカしているネオンとか、景観を乱すようなモノがそもそも少ないのだろう。


運転は朝倉。

良く晴れた空の下、のどかな街並みや宍道湖を見ながら走る。

山陰道からは遠巻きにしか見えないが、大変青く美しい。

佐「もうなかなか来ないだろうけど、すぐ側を走れるみたいだから走って見たかったなー。」

…この佐野の一言が、のちに起こる出来事を暗示していた。


そういえば途中、安来インターとあるからまさかな、と思ったらホントにあの安来節の安来だった。

カントリーサインまで安来節のイラストで、ちょっとほっこりする。


さて、山陰道は途中に有料区間があり、そのまた向こうに国道9号線(松江道路)を挟んで山陰自動車道がある。

紛らわしいのだ。まあ走ってれば一本道なんだけど。


その山陰道に乗った辺りから、なんとなく様子がおかしい。

時折少しだけ、自動車の流れが悪くなるのだ。

ちょうど8時前後だったし混む時間なのかねーと話したり、かと思えば道路のど真ん中に段ボールが落ちてたり、色々と材料はあった。渋滞と、現実逃避の。

此処にきてもまだ、我々は事の重大さに気が付いていなかったのである。


出雲インターまであとIC3つと言ったところに来て、いよいよ渋滞がひどくなってきた。


佐「ちっくしょー、出雲は目の前なのに!」

朝「何てことだ、これがあの出雲か!」

佐「敵と味方の区別も出来ねえのか!」

朝「バカモン!ワシだ!!」

スターフォックス64やってない人には何が何だかわからない。


そして次が出雲インター。この山陰自動車道の終点を目の前にして、我々は恐れていた事態を認めざるを得ない状況へと追い込まれた。

大 渋 滞 。

大きな右カーブの彼方までズラッッッッと伸びた、色とりどりの自動車の列。

この道路を走る死神の列に、抗うすべは我が手には無い。


高くなり始めた陽射しがじりじりと車内の空気を熱してゆく。

焦りと不安が余計に熱を持たせる。

随分長い時間をかけて出雲インターを出て、ちんたらちんたらどうにか進む。

とにかく100メートル進むにもひと苦労。

やむを得ず、途中のコンビニに入って作戦会議だ。

と、その前に…とトイレに行った朝倉がスゴスゴと戻ってきた。

トイレの列も大渋滞だという。考えることはみんな同じだな。

平松も起きてきて、どうにか辿り着けないかと思案しているとそこへパトカーがやってきてお知らせをがなっている。

「出雲大社の駐車場は現在満車です、島根ワイナリーからシャトルバスに乗ってください!」

し、島根わいなりぃ!?

どこじゃそれは!と急いで地図を見ると、確かに出雲大社から少し東に行ったところにそんな建物がある。なるほど此処か…するとこの渋滞も、出雲大社か島根ワイナリーか、どっちかに向かっているのだろう。


腹をくくって、再び渋滞の列に飛び込んだ3人の運命はいかに!?


つづく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ