【ソーセージ mari & mari】 〜#16 【それぞれの誕生日 10歳のあの頃 みずたまり編】
【それぞれの誕生日 10歳のあの頃 みずたまり編】
ごみたまりとみずたまりは冷やしたワインを注ぎあいながら、
小さい頃の誕生日の思い出を披露しあっていた。
今回はみずたまりのターン。
「あたしは10歳の誕生日パーティーの料理を自分で作るって言って
きかなかったの。
一生懸命作ってみんなに喜んでもらいたくて」
みずたは幼い頃が懐かしいのか口が滑らかに続けた。
「そしたら、他の子のお誕生日パーティーにも料理を作って
欲しいって頼まれるようになったの。
それ以来、みんなあたしが作ってもてなすようになったわ。
子供ながら、人に頼りにされるって嬉しいなって」
話をひと通り聞き終えたごみたまりは最後にひと言聞いた。
「今のって誕生日の思い出?
祝ってもらった話じゃなくて」
「あ、そういえばあたし、祝ってもらったこと、ないや」
言ったあとでプレゼントももらったことないことに気がついた
みずたであった。