革命的第4話
申し訳ありませんが、なろうに投稿しているニート以下略を更新したりするのでこれより不定期更新となります。申し訳ありません。
「それじゃ……同志セルゲイは俺たちを解放してくれるのですね! やはり貴族たちに政治を任せていてはいけません! 私たち労働者が国を動かさなければならない。富の再分配も必要です! 共産主義とは素晴らしいです!!」
「そうだ同志ケニノ。私の目的はこの腐敗した貴族主義を打倒して新たに人民による人民の政治を行うのだ!!」
私はアウレたちと別れたあと、商人――同志ケニノと共にズルワルドに向かっていた。もちろん徒歩だ。勇壮を極めた赤軍の機甲師団が懐かしい。だが村からズルワルドまではそんなに遠くは無いらしい。徒歩で半日歩き通せばつくらしい。
「だから、ウルカトリ村の人たちに私は帰ってくるっていったんですね」
「もちろんだ。私がいない間に頼んだ準備を整えていてくれればよいのだが……」
村人たちには不安がある。アウレを見ててわかったが、戦う意思があるのだろうか? とりあえず、アウレの友人というへスラーは乗り気のようだ。おそらく私の頼みごとを完遂してくれるだろう。
「あれです。見えますか?」
山道が開けた。眼下には大きな湾を備える港と煙を上げる工房、そして噴煙をあげる火山が見えた。
「ようこそ同志。バアル領最大の工房都市ズルワルドへ」
ズルワルドは活気のある街だ。鍛冶が盛んに行われている。壁には色々なポスターが貼られ、キリル文字が印字されている。
ってキリル文字だ! 文法も同じようだし、助かった!! これで文章に困らない。
「この街ではズルワルド鉱山から良質な鉄が取れます。武具を作っている店もあります」
「ではとりあえずそこへ」
武具を見れば大体の文明に察しがつく。これも大事な情報だ。
武具屋には重厚な鎧兜が陳列され、肉厚な両刃の剣が飾られていた。
「飛び道具は?」
「弓矢くらいですか? 後はスリングが……」
店主が飛び道具を見せてくれたが、アウレたちが持っていた狩猟用の弩よりも大型の弩がおかれていたが、それでは装填が大変そうだ。
「銃は、ないのか……大砲もないのか?」
「たいほう? それは美味いんですか?」
「違う。火薬で弾を打ち出す装置だ」
「かやくですか?」
どうやら私が思っているよりも科学は進んでいないようだ。
「同志セルゲイ。私は親方のもとに一度帰らなければ……」
「私もついていこう」
土地勘がないからとか、さびしいからとかじゃないぞ。絶対にないぞ。
ケニノの工房は街の外れにある。周りから比べると小さい。
「親方! 帰りました!」
置くから「おう」と小さい声。
「どうしたんですか親方?」
中に入ると鉄を加工する工具がずらりと置かれている。
「また、貴族様だ。魔物討伐のために武具を供出しろってきやがった。武具が欲しけりゃ金をだせって言うのに……中小工房だからって舐められっぱなしだ……」
「ではなぜ決起しないのだ?」
親方は私を不振な目で見ている。
「そりゃ……俺たちは中小工房だ。大工房からの受注が止まれば干上がっちまう。それを牛耳ってるのが貴族さまだ。逆らえないよ」
「諦めるな! どうしてそこで諦めるのか!? 労働者が搾取される不当をなぜ訴えない!? 人民には言われ無き搾取を今こそ打破しなければならんのだ!!」
「ケニノ……この人は……?」
「せーじしょーこーの同志セルゲイです。異世界のソビエトからこられた伝説の革命家です!」
まぁ……まだ時間はある。私とケニノはこの親方に共産主義の素晴らしさを朝が来るまで説き続けた。
「同志セルゲイ。ハラショー。オーチンハラショー」
うん。うまくいったようだ。
「この設計図のように作ってくれ」
「わかりました同志セルゲイ。しかし、こんなものが役に立つのですか?」
「もちろんだ同志。人数分頼む」
「わかりました。ところで、私は親方と共に中小工房の人たちに革命を説きます。同志セルゲイはウルカトリ村に帰りますか?」
「いや、あの火山にいく」
「え? 危険ですよ。それに何もありません」
「いや、ある」
そう、あそこには硫黄がある。