知らぬがほっとけ
短編です
俺、結構モテるんだよねぇ・・・。
小学生の頃は、足が速くて勉強もそれなりにできたからか、色んな女子から告白されてさ~。まぁ全部断ってたケド。だってめんどくせぇじゃん?あの頃はさ~男友達と遊んでる方が楽しかったんだよ!ガキってそうじゃん?
中学の頃は、部活がまぁ、サッカー部だったし、あれはモテるよな。うちの学校結構強豪校だったし。まぁそのせいか、俺レギュラーにしてもらえたの三年の最後の大会の時でさ~。もうほとんど負け試合で投入されてさ~。あんなん勝てるわけないんだよ、コーチマジで鬼すぎるだろ~。
高校生んときは、ガキの頃に比べて告白されたりする回数は減ったけど、ちらちら俺を見る女子は多かったんだよ。たまに声をかけてくる女の子には、「今はサッカーに集中したいんだ」なんて言って告白断ったけど、クラスのマドンナから告白されたときは、受けておけばよかったと思ったかな~。俺にとってはあれが唯一の後悔かな。
大学ではサッカーはやらなかったんだ~。45分走るのって結構疲れるんだよ。俺は趣味程度に楽しみたくてさ~。だから大学ではフットサルのサークルに入ったんだよ。でもただの飲みサーだったから、幽霊部員状態で、ほとんど参加はしてない。でもサークルのメンバーからは、飲みの誘いがずっと来ててさ~、合コンも「お前が来ないと女子が集まらないんだよ」なんて言われたりしてたから、俺って結構ビジュ良いんじゃないかとか思っちゃったわけwww。
大学卒業間際に慌ててる同級生が可哀そうだったけど、俺は地元の有名企業の下請けに就職決まってたからさ~。え?あぁ、俺はさ、叩き上げに憧れててさ。最初っからイージーモードじゃつまんないじゃん?壁?が有ったほうがさ、やる気にもなるし、下請けから大手に引き抜かれる方が、価値があるって思うんだよね~。
「えぇ~すごぉい」
だろ?俺ってさ、結構大学でも成績良くてさ、下請けの社長、俺の学歴見て、めっちゃびっくりした顔してたんだよ。あの顔忘れられねぇ~!
俺、今は新入社員だから全然仕事任せてもらえねぇんだけど、上司からは、「期待の星」とか言われててさ!同期で入ったやつらは、パッとしない先輩が指導係なんだけど、俺の先輩、なんと成績第一位の人らしいんだよ~!やっぱ期待の新人の教育係はそうじゃないとね!
「さすがぁ~!」
でもさぁ、俺未だにフリーなんだよねぇ~。
「えぇ~しんじらんなぁい」
ほんとほんと。まぁ、今の俺じゃ、どんな子も幸せにできないからさ、まずは実績作んないとだよな!早く仕事任されるようになりてぇなぁ~!
「そうなんだぁ~大変だねぇ!がんばってぇ!」
あゆみと飲む酒が一番美味ぇんだよ~。やっぱお前、サイコーの女だな!
「えぇ~ありがとぉ~!また来てねぇ~!」
おう、俺が来るまで、他の客とんなよ!
「帰った?」
「うん」
「あの人っていつも安いのしか飲まないよね」
「うん」
「あの話って本当なのかな?」
「あー、あれね、嘘嘘。一回あの人の会社の社長さんが飲みに来たことあったけど、今年の新人はダメだな!って言ってたもん」
「あぁ~そうなんだ」
「そうそう、特に、多分あの人の事だと思うんだけど、思い込み激しくて、虚言癖もあるらしい」
「えぐぅ・・・。え、じゃぁ、アレ」
「かわいそうだよねぇ・・・」
「まぁ、アンタに惚れてるみたいだし?絞れるだけ絞れば?」
「安月給君かわいそう~」
「あゆみちゃん、次のお客さん」
「はーい」
——知らぬが仏——
知らないほうが、ね。




