09S.古代淫魔のツガイ
9体の内「紅姫隊」に、所属して居ないものに「古代淫魔のツガイ」が、有りました。この古代種は、別名を「ソシアル型」と、言いました。特定のツガイとのみ、ネトリをしないと、身体の自由を維持することが、出来ない淫魔でした。何かの理由に依り、身体が動かなくなると、本体を「ソシアル・ホーム」と言う、固有の「疑似空間」に、隠して「コンシャス(意識体)」のみの存在と、成ります。そして空間を漂いながら、何かの目的を、達成させようとしました。
片方のみが「ソシアル型」で有っても、ツガイに成れば、違う魔人種でも、それに成りました。そして「共通の寿命」に、成りました。その探して居た「ソシアル型」は、この辺では「浮遊大陸パルパンティア」に「1組のツガイ」が、存在することが、分かりました。「デスタロン(破壊神拠点)」からは、遠い場所でした。しかし幸いにも、そこまで行ける「Mサークル」が、設置されたので、それを使って本土に、渡ることが出来ました。
しかし「Mサークル」を2~3回、乗り継いで行かなければ、該当者の近くまでは、行けませんでした。そこまで行けば、リアンナの「神の御加護」に、導いて貰えれば、すんなりと、辿り着けました。リアンナだけでは「Mサークル」の場所が、特定出来なかったので、紅姫も途中まで、同行してくれることに、成りました。2人には「共通のスキル」が、有りました。それは「神の声」が直接、聞けることでした。
「該当のツガイ」には、神より直接メッセージを授けて「リアンナの到着を、待つように。」と、知らせてくれることに、成りました。そして2人は、旅立ちました。「Mサークル」による移動は、瞬時の移動でした。それにより直ぐに「浮遊大陸」に渡り、それを乗り継いで、一番近い場所まで、辿り着きました。
早速リアンナが「御加護」に、お伺いをすると、そこから西方にトリスの飛行距離で、3日程、飛んで行った場所に、住んで居るようでした。その内容を紅姫に伝えると、彼女との同行は、ここまでと、成りました。そして2人は、別れました。早速リアンナは「トリス」に変わると、大空を飛行しました。少し距離が有りましたが、方向性は「御加護」が、示してくれるので、間違いが有りませんでした。
「トリス」だけでは、直ぐに疲労するので「イヌン」に、変わったり「ネコン」に、変ったりの移動に、成りました。そして3日後には、大きな公園まで、辿り着きました。「御加護」が、言うには、そこで暫く待って居ると、公園の中の、特定の場所から「次元の断層」と良く似た、裂け目が出現するので、そこから「該当のツガイ」が、現れるようでした。
「リアンナ」は「イヌン」に成ると、場所を特定して、地べたに蹲り、該当者の出現を、待ちました。そして数日が経ち、夕方頃に公園の片隅に「それ」が現れました。「ソシアル・ホーム」の入口から「ツガイの彼等」が、現れました。イヌンは、敏感に反応すると、彼等の元へと、急ぎました。そして彼等に、認識されると、目の前でリアンナに、変わりました。すると彼等が驚いて、リアンナを見ました。
彼等に、リアンナが言いました。「貴方達が、ソシアル型の淫魔ですね。名前を存じませんが、中央神様から連絡が、来て居ると思います。私がキュービアンのリアンナです。貴方達を、迎えに来ました。」と、彼女が挨拶すると、2人は驚き「この前、見た夢は、正夢だったのですね。僕等は、2人別々に〝来訪者の夢″を、見たのです。それは、迎いの者が、ここに来るので、彼女に従うようにと、言う内容でした。」
驚く彼等に、リアンナが言いました。「貴方達にも、準備が有ると思います。明日の9時頃に私は、再度ここで待って居ます。それまで此処に、来て下さい。良いですね。必ず来て下さい。来ないと神様に、何をされるか、知りませんよ。」と、恐喝まがいに、成りました。2人は、同意すると「必ず来る。」と、言いました。そしてその日は、別れました。
リアンナは、2人が帰って行くと念の為、トリスに変わり、2人の後を追いました。そして住所を確認すると、その晩は近くの木に止まり、身体を休めることに、しました。そして明日、彼等が出て来たら、先回りをして、公園で待つことにしました。
そして夜が、明けました。彼等は既に、準備が出来て居たようで、大きな鞄を持って、出て来ました。旅行気分のようでした。「トリス」は、それを見届けると、公園まで先回りをすると、木の枝に止まって、2人が来るのを、待ちました。そして彼等が来ました。公園の中に入って、昨夜出て来た「ソシアル・ホーム」の有る所まで、彼等が来ました。
2人は、周りを伺って居ました。すると彼等の頭上から「トリス」が、降りて来ると、彼等の眼の前で「リアンナ」に、変わりました。その姿を見ると、2人は驚き「貴方は、鳥にも成れるのですか。これは驚きです。私は〝早見翔平″と、言います。そしてこちらの彼女が〝木内ミナコ″です。どうぞ宜しく、お願いします。」と、名乗りを上げました。
するとリアンナも、改めて「私は5種で1種を形成する。ダルタニアの固有種で有る〝キュービアンのリアンナ″です。どうぞ宜しく。」と、返答しました。すると翔平が、言いました。「リアンナさん。これから行く場所は、遠いのですか。」と、聞いたので、彼女は「物凄く遠い場所ですよ。」と、答えました。
驚く2人に「でも心配は、有りません。私は此処から一瞬で、そこまで帰れる〝Mサークル″を、持って居ます。それを使えば、簡単に済みます。これが、この場所に、設置されれば、何時でも何処でも直ぐに、ここまで戻って来られます。安心して下さい。」と2人に、説明しました。「それは、とても結構なことですね。」と翔平が、感想を述べました。
そしてリアンナが、分かりづらい場所に「Mサークル」を、設置すると3人で、そこに入り、紅姫が待って居る「デスタロン(破壊神拠点)」へと、帰還しました。帰りは一瞬で、終わりました。この世界には、時差が無かったので、どこでも同じ明るさでした。夜も共通で訪れました。デスタロンに戻ると、紅姫達も何かをして居ました。
リアンナは「古代淫魔のツガイ」に、該当する「翔平とミナコ」を、紅姫達に紹介しました。ミナコは、とても可愛い「典型的な淫魔の娘」でした。翔平は、いつもミナコと居ると、ニヤケて居ました。彼等は、ここでは「紅姫隊」が、保護することに、成りました。そして、残りの魔人についてでした。
後、足りないメンバーは「エクトマス」と言う、魔人種でした。リアンナは、その存在について、全く知りませんでした。「紅姫隊」の誰も、知る者が、居ませんでした。しかし「古代淫魔のツガイ」で有る、ミナコだけは、知って居ました。「それは、淫魔の〝アニマス(根源)″を、覆って居る、物質の〝エクトマ(幽体)″を、指す言葉から、来て居ます。」と、言いました。
「淫魔のエクトマ」が、何らかの要因で、アニマスから分離、独立したものが、自我を持ち、魔人と成った者を、指す言葉でした。エクトマには、肉体が無い為、それが何らかの要因で、肉体を得ることに依り、誕生した魔人のようでした。これも極めて「特殊なケース」で有り、存在数が、限定されるようでした。
リアンナが「エクトマス」の所在について「神の御加護」に、尋ねました。すると、既に「中央神アラル」が、他の世界で確保したものを「デュプリ(複写)」して、保護して居るようでした。するとこれで9体が、全部揃ったことに、成りました。改めて全員揃ったことを、リアンナが神に、報告しました。
すると「中央神アラル」は「〝使いの者″を、寄越すので彼に従い、この世界の中心に有る〝ツリーマンの世界″に、来なさい。」と言う、メッセージを、リアンナに、知らせました。神が言う「使いの者」とは「中央神のインカ(化身)」で有る「蓮沼武史郎」のことでした。