08S.ここから
ここは「中央神アラル」が、支配する世界でした。2組の動物の群れが「デスタロン(破壊神拠点)」を、目指して走って居ました。1匹の「黒い大きな犬」に、跨った、小柄な美少女が、群れを率いて居ました。その犬の隣には、同じ大きさの金色をした「大きな猫」が、並んで走りました。その猫の背中には、魚の鱗を持つ、灰色の「大きな蜥蜴」が、振り落とされないように、しっかりと掴まりながら、背中に乗りました。
そして上空には、その2匹を追うように、頭に黄色いトサカを持つ「白い鳥」が、飛んで居ました。また2組目の群れも、同じような構成で、デスタロンを目指して、走って居ました。
「右側神の世界」では「時の魔人」のキュービアンのことを「リアンナ」と、言いました。そして「左側神の世界」では「時の魔人」のキュービアンのことを「リアネス」と、言いました。彼女達は「神界のアンバランスの解消」を、終了させる為に、この世界に現れました。招いたのは「中央神アラル」でした。しかし彼女達は、この神に「デュプリ(複写体)」された、存在でした。
2組の動物の群れが「デスタロン(破壊神拠点)」に、到着しました。ほぼ同時でした。お互いが相手を、認識しました。彼女達は到着すると、周りの時間が停止したように、成りました。2組は、全く同じ姿でした。違うのは、呼び方だけでした。すると「リアネス達の存在」が、霧状に変化しました。そしてそれが「リアンナ達の身体」に、吸収されました。これで「キュービアンのリアンナ」は「左側神の世界」の事情を、知ることが、出来ました。
このリアンナは、デュプリでしたが、先程リアネスを吸収したので「左右神の世界」の「時の魔人」の足跡を、身に付けました。これで彼女は「中央神の世界」の専属の「時の魔人」と、成りました。彼女は、何事も無かったかのように「デスタロン」に、入りました。そこには「紅姫」と「白郎」が、待ちました。
「デスタロン」に入ると、既に紅姫が白郎を伴い「リアンナ」を、迎えてくれました。彼女達の集団は、ここでは目立つ存在でした。紅姫が、言いました。「デスタロンに、ようこそ。ここは、貴方達を歓迎するわ。」と、挨拶しました。すると彼女が、言いました。「私は、キュービアンのリアンナです。神様に導かれて、ここまで来ました。私の方こそ、宜しくお願い致します。」
「リアンナ」は、そう言うと手を、差し出しました。すると紅姫、白郎が握手をしました。すると彼女の獣達が姿を消して、リアンナだけに、成りました。白郎は、獣達が一瞬で、姿を消したので、不思議そうな顔をしました。すると彼女が、言いました。
「私は、5種で1種を形成する魔人です。〝原種の魔人″と、呼ばれて居ます。」と、改めて説明しました。「リアンナ」の容姿は、身長が160㎝近く有りました。彼女は、うら若きキュービアンの娘でした。肌色は、やや浅黒くて神々しいオーラを、放ちました。髪は、茶系の直毛で有り、長さが、肩先まで有りました。目は大きくて、丸い目でした。瞳の色は黒くて、長い睫毛でした。
また唇は、ぽっちゃりとして、鮮やかな朱色でした。鼻筋が高くて尾翼が狭く、とても綺麗な、顔立ちでした。彼女は「価値有る美女の1人」と、言われました。また、聡明で有り綺麗で、気立てが良かったので、ホームの誰からも好かれた存在でした。
紅姫が、リアンナに言いました。「貴方は〝神界のアンバランスの解消″をする為に、この世界に、遣わされたと聞いて居ます。これから何が起きて、私達は、どうすれば良いのでしょうか。」と、彼女に聞かれたので、リアンナが答えました。「実は、私も良く分かりませんでした。神様が言うには、関係を持つ者を全て集めて、一堂に期しなければ、始まらないそうです。」と、ここまで言うと、また続けて言いました。
「神様が仰った、一同の者とは〝時の魔人″と〝キュービンの聖獣″そして〝ドラゴスクィーンの勇者″〝赤いギガントジャック″〝アリティス族の勇者″それから〝古代淫魔のツガイ″〝エクトマス″〝淫魔ドール″の9体に成るそうです。」
「〝時の魔人″とは、キュービアンのことを言い、左右神の世界の実情を知った者でなければ、成らないそうです。初め私が、ここに到着したときに、もう1組の私に、良く似た存在が、居りました。その者達が、ここに到着すると霧状に変化して、私の中に入りました。多分その存在が〝左側神の世界のキュービアン″だと、思われます。そして私が、左右神の世界の一体化した〝中央神の世界のキュービアン″と、成ったのです。該当者は、私に成ります。」
「そして〝キュービン(六面体内部世界)の聖獣″に、ついてですが、この該当者が、ダルタニアの最強魔獣で有る〝ブービーキング″を、差す言葉で有り〝各世界で一体のみ存在が、許される聖獣で有る。″と、聞かされました。元々この聖獣は〝右側神の世界″にしか、存在が無く急遽、神様が〝デュプリ″して、魔人態にしたものを、この世界に用意したと、聞きました。多分、皆さま方には、思い当たる方が居ると、思われます。」と、そこまでリアンナが、話してくれました。
その後「キュービアンのリアンナ」は、紅姫に案内されると、彼女の拠点エリアまで、向かいました。そこは「デスタロンの中核地帯」よりも、大分離れた場所に、在りました。そこは広くて「紅姫の部隊専用」に、設けられた場所でした。「リアンナ」は、紅姫の屋敷に招かれると、先程の続きを話しました。
「次に〝ドラゴスクィーンの勇者″〝赤いギガントジャック″〝アリティス族の勇者″に、付いてですが、それは貴方達の方が、良く存じられて居ると、思います。」と、リアンナが言うと、紅姫が「該当者だと、思われる者」を、紹介しました。
「〝ドラゴスクィーンの勇者″とは、ここに控えて居る〝私のファミル(眷属)″の1人で有る〝公園寺赤郎″だと、思われます。」と、紅姫が言うと赤郎が、恭しく、リアンナに挨拶しました。リアンナが、彼を見ると「彼は、ドラゴスクィーンの魔人態で有るのですね。それが、存在したとは、驚きました。」と言って、赤郎に挨拶しました。それから紅姫が、続けました。
「次の〝赤いギガントジャック″とは、私のことです。私は、通常ではタイタニオンですが、私は〝先祖返り(トロス)″が、出来るので、いつでもギガントジャックに、変われます。宜しくお願い致します。キュービアンのリアンナさん。」と紅姫が、挨拶しました。するとリアンナも、挨拶しました。紅姫が、続けて言いました。
「次の〝アリティス族の勇者″ですが、その者も私のファミルに居ます。それがここに、同行して居る〝宇津木白郎″です。」と、言うと白郎を、リアンナに、紹介しました。そして2人が、挨拶を交わしました。そしてリアンナが、言いました。「これで必要な魔人が、9体中4体までもが、揃ったことに、成ります。後は〝キュービンの聖獣″〝古代淫魔のツガイ″〝エクトマス″〝淫魔ドール″が、揃えば、儀式が出来るように、成ります。」と言うと、紅姫が続けました。
「リアンナさん。実は後の〝キュービンの聖獣″と〝淫魔ドール″も、ここに既に、控えて居ます。」と、言いました。すると「該当者」と、思われる者を、呼びに行きました。そして、連れて来られたのが「アリシアとネティス」でした。そして、白郎のファミルと成った「アリシア」を、彼が紹介しました。
「リアンナさん。彼女が〝ブービーキング″の人間態の〝アリシア″です。宜しく、お願いします。」と、白郎が言って、彼女が頭を下げました。それから彼が、続けて言いました。「彼女は〝デュプリ″で有る為、モデルと成ったものが、巨大化出来ない、特殊な個体で有る為、彼女も巨大化が、出来ません。そして彼女の〝モデルの管理者″が、淫魔だったので彼女は、その影響を受けて〝淫魔に近い体質″を、持つように、成りました。」と、簡単な事情を、説明しました。
「アリシア」の容姿は、肌色がやや濃い目の色でした。痩せたスタイルの良い、綺麗な娘でした。髪は、金髪のストレートで有り、長い髪でした。目の色も、髪色と同じ金色でした。鼻筋が高くて、彫の深い顔でした。唇は、やや厚くて、ピンク色でした。胸は、それほど大きくは、有りませんでした。そして綺麗な足でした。また彼女は、産まれて間も無い、存在でしたが、既に成人女性の姿でした。
また「ブービーキングの幼体」は、キュービアンを見掛けると、攻撃を仕掛ける習性を、持ちましたが「アリシア」には、そのような兆候が、見られませんでした。彼女は、白郎のことを、近親者のように慕い、懐いて居ました。
それから「淫魔ドール」の「ネティス」を、連れて来た赤郎が、リアンナに彼女を、紹介しました。「リアンナさん。彼女が〝淫魔ドール″のネティスです。どうぞ宜しく、お願いします。」と言うと、ネティスが頭を下げました。リアンナが、初めて彼女を見ると、その妖艶さに驚いたようでした。
「ネティス」の容姿は、白い肌色をした金髪で、彫の深い顔でした。身体付きが大柄な、巨乳娘で有り、髪が長くて、直毛でした。そして背中まで伸ばしました。見た目が、人間で言うと、妖艶な白人娘のように、見えました。また眉毛が細くて、切れ長で有り、瞳の色が、薄い水色でした。目の上下には、念入りに描いたような、焦げ茶色をした「アイシャドー」が、入って居ました。唇が上下共、厚ぼったくて、魅惑的な朱色でした。そして鼻筋が高くて、尾翼が狭いと言う、典型的な「美女の容貌」でした。
「ネティス」は、ドールで有るので「所有者の体液」を、定期的に体内に、取り入れないと、動けなく成りました。その後、所有者が白郎から、赤郎に移りました。赤郎は、ドラゴン族の魔人種で有るので、彼女とネトリを行うと、激しくケモノのような、行為に成りました。また彼は「純真なケダモノ」でしたので、ネティスと接する内に、彼女を激しく、愛するように、成りました。その為、彼女は彼から「大量の体液」を、取り込むことに依り「ドラゴンの体質」を、持つように、成りました。
「ネティス」は、ドールでしたので、身体の形状を「ドラゴン」に、変えることは、出来ませんでした。その代わりに「パソニィ(擬人化)」が、出来るように、成りました。彼女が、それを行うと、目がドラゴンの眼に成り、体皮に独特の縞模様が現れて、それが硬く、成りました。そして腕力が、格段に上がりました。それにより彼女は、戦闘系魔人に、変わりました。このときに、白郎から取り込んだ「聖剣アリティス」を、出現させると、中々優秀な戦い振りを、見せました。そして彼女は、ドラゴンの火炎を、吐くことも出来るように、成りました。
「ネティス」は、所有者を赤郎に、変えた影響で、高い戦闘能力を、得ることが出来ました。彼は彼女に「女型ドラゴン」に、変わって貰いたかったようですが、彼女の素体能力では、そこまでいかないようでした。また「ウェナス(立会人)」の、最後の魔人は「神の人形」と、呼ばれるものでした。その意味は、神に愛された「人形魔人」を、指す言葉でした。「キュービアンのリアンナ」が、言うには今回の、その該当者は「淫魔ドール・ネティス」で有ると、神に言われたそうです。
「リアンナ」が、改めて紅姫に、言いました。「紅姫様。それでは後〝古代淫魔のツガイ″と〝エクトマス″を、見付ければ〝宴の儀式″が、出来ます。もうひと頑張りですね。心辺りは、有りませんか。」と、聞かれました。すると紅姫は「そうですね。浮遊大陸辺りに、その淫魔が〝ツガイと成り″居るようです。」と、話して聞かせました。
するとリアンナは「それは本当のことですか。もしそれが本当ならば、凄いことです。」と、言いました。そして「実は、その〝古代淫魔″は、ツガイでなければ、効果が無いと、言われます。」と、語りました。「そしてこの淫魔は〝ソシアル型″と、言われる〝特殊な形態″を、持つ淫魔だと、言われました。それは、淫魔族の中でも〝最古の種族″に入り、淫魔の性質が、限定的な為、生存率が低くて、その存在を、確認することが、難しい種族でした。」
しかしリアンナには「神の御加護」が、有ったので、探すには問題が、無さそうでした。そして探索には、彼女が行くことに、成りました。「浮遊大陸」は、広大な為、位置を確認出来ないと、探すのは無理でした。すると彼女は、或る地点を定めると、そこに行くことにしました。幸い付近には、紅姫の「Mサークル」が、設置されたので、それを使って本土に渡り、そこから探索することに、成りました。
場所が特定された場合には、帰りは直ぐに、紅姫の元へと帰れるように「Mサークル」を、持たせて貰えました。そしてリアンナは、準備が整うと、そのツガイを探しに、出ようとしました。