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07S.淫魔ドール・ネティス 後編

「・・・。早く私を、動けるようにして下さい。私は自我が目覚めてから今日まで、たくさんの所有者達のなぐさみ者でした。来る日も来る日も、激しく凌辱されました。私は、無抵抗なドールでしたので、所有者達の好きなように、され尽くして、今日まで、存在しました。」


「私は、自己防衛の為に、乱暴な所有者に対しては、その行為を出来なくさせる為に〝バイタリティ(生命力)″を奪い、早めに殺害しました。それは、自分の身体を、守る為の行為で有り、仕方が無かったのです。私は、自分のことを、大事に扱ってくれる所有者に対しては、素直に従うドールなのです。私は元々、所有者に愛されることを、前提として作られたドールなのですから。」と言う、このドールの心の叫び声が、白郎の心に伝わりました。


白郎は、このドールの意思を、確認すると「これは当初の、危険な香りが漂う、危ないものではない」と、確信しました。このドールは「誰かの〝サキュレスのアニマス(根源)″が、封印されたものではないか」と、思われました。ドールに、自然発生的に、自我が宿ることはなく、仮に有ったとしても、それは誰かが、故意に「このドールに、封じ込んだものだ」と、思われました。それが「誰のもので有るのか、また誰が、やったことなのか」それは、このドール自身にも、分からないようでした。


白郎は、このドールから伝わった「思い」を、紅姫に伝えました。彼女は、それを聞くと、安心したようでした。「成る程この子は、とても良い子だったのですね。それでは白郎さん、後のことは、お願いします。」と言うと、取り敢えず2人で、ここから帰還することに、成りました。


そして日を改めて、ここに来て、始めることにしました。行う場所は、洞窟内とすることで、毎日ここに来て、時間と余裕が、有る限り優先的に、ここに来て行うことに、成りました。このドールは、本体に危害を与えない限り「相手を殺すことは無い。」と、言いました。それと接するときには、細心の注意を払い、大事にして、生きる女性を、扱うが如くに、丁重に扱えば良いのです。


それからの白郎は、このドールの元へと足繫く、通うことに、成りました。彼は女体には、飢えて居ませんでした。しかしこのドールを前にすると、正気では居られなく、成るようでした。「激しい情欲」が、沸き起こり、このドールを滅茶苦茶に、したく成るような、衝動に駆られました。


彼女の名前は「ネティス」と、言いました。それを彼女が、教えてくれました。彼女自身も、良く覚えて居ないようで「そのような名前で、呼ばれた記憶が有る。」と、言いました。それで、この「淫魔ドール」の名前は「ネティス」に、決まりました。また彼女は「女型属性」を、持つドールなので「男型属性」を、持つ相手に「激しく愛されたい」と言う「強い願望」を、持ちました。


「自分のことを、本当に愛してくれれば、少し位ならば、乱暴にされても、我慢が出来る。」と、言いました。「彼女の根底には、激しく強く愛されたい」と言う欲求が、強い為に、過激なものに、成り易いようでした。白郎は「ネティスの本音」が、分かったので、彼女に嫌われない程に、激しく接することにしました。その為、彼の扱いを彼女は、とても喜んでくれました。


「ネティス」が、白郎に伝えました。「私とのネトリは、それで十分満足です。後は、白郎様の本当の愛が、欲しいだけです。」この「淫魔ドール」は、所有者の自分に対する愛情を「何よりも欲する、性質が極めて強い」存在でした。彼が、彼女との行為を、する度ごとに、この「淫魔ドール」の性質が十分に、理解出来るように、成りました。


「ネティス」の「アニマス(根源)」は生前、余り愛に恵まれずに、早死にした「女型淫魔」の「もの」が、彼女が満足出来る「本当の愛が欲しい為」に、空間を彷徨って居ました。そして同じ存在で有る、このドールに引き寄せられると、そのままドールと、一体化したようでした。その為、ただのドールだったものが、生きて居るように、感じられたのは、その「淫魔のアニマス」が、宿った為でした。そのドール共々、自分のことを、愛してくれる存在を、探し続けて居ました。


「ネティス」は、魅惑的な顔と、身体を得ることが、出来ました。しかし彼女の所有者達は、全て「自分の性欲」を、満たす為だけに、彼女と交わって居ました。それは彼女が「淫魔ドール」で有るので、しょうがないことでした。そして、このドールは「淫魔の力」を持つアニマスが、宿って居ました。その為、彼女に危害を与えた、歴代の所有者達には、そのような現象が、起きました。


また「ネティス」には、ネトリを行った、愛する相手の能力を「取り込む」能力が、有りました。既に白郎と行為をして「彼の体液」を、たくさん取り込んだので、彼女は、彼の「戦闘スタイル」を「デュプリ(複写)」しました。彼女は、白郎本来の前傾姿勢から、繰り出す「聖剣アリティス」の攻撃を、既に取得しました。しかし彼女には、それ程、強い攻撃力が無かったので、彼ほどの力は発揮、出来ませんでした。


暫くして、彼女の身体が動くように、成りました。白郎は「使い魔」では無かったので、普通は「ドール」を、動かす力は、持ちませんでした。しかし「ネティス」と、接触したときだけ「使い魔」の力が、宿りました。そして自分の意思で、動けるような成った彼女は「淫魔ドール・ネティス」として、紅姫隊の「新しきメンバー」と、成りました。


しかし「紅姫隊」の内部事情に依り「彼女の所有権」は、その後、同じ部隊の所属で有る「公園寺赤郎こうえんじ・しゃくろう」のものに、成りました。彼女は初め、不安そうでした。しかし元々、彼女の素体は「男型魔人から渡り歩いて居た」ので、移譲されても、さほどの衝撃は、有りませんでした。


所有権が、移譲された理由は、白郎には既に「女型めがたのファミル」が、多数存在した為で有り、まだ赤郎には「女型のファミル」が、誰も居なかった為でした。「ネティス」は、彼に取っては、初めての「女型ファミル」に、成りました。彼女は、彼のものに、成ったのです。


「ネティス」は、赤郎から酷い目に有ったときは、そのまま彼の「バイタリティ」を奪い「弱体化させれば良い」と、思いました。彼女の「新しい所有者」と成る彼は、見掛けも性格も「白郎と良く似た存在」でした。彼女は、相手の性格を、極めて正確に、把握することが、出来ました。彼の方が、白郎よりも、強い力を、持ちました。赤郎の力は、強大でした。それを彼女は「全て取り込んであげる」と、思いました。


「ネティス」は、白郎に好意を、持ちました。彼は、自分のことを、理解したので、従い易い存在でした。赤郎にも「彼女の心の声」が、聞けるように、成りました。それは、彼女が「取り扱いの注意」が、必要なドールで、有るからでした。


彼女が、初めて赤郎に、紹介されると、彼女の方から先に、話し掛けました。「赤郎様。私が貴方の、新しいファミルと成る〝ネティス″です。宜しくお願い致します。赤郎様。唐突ですが、私を所有するので有れば、私を愛して下さい。そして、大事にして下さい。私の望みは、ただそれだけです。」


それを聞いた赤郎は、ただジッと「ネティス」を、見ました。すると「そうだなぁ。君には、僕の身の周りをしてくれる、メイドに成って貰おうかなぁ。僕は初めて「女型のファミル」を、持つことに成ったので、僕が知らずの内に、君に不愉快な思いを、させるかも知れないので、そのときは言ってね。言ってくれないと、僕には分らないから。」と彼女に、言いました。


「淫魔ドール」の「ネティス」は、似たような存在で有る「淫魔系ゴーレムのアマネ」程、戦闘に特化した力を、持ちませんでした。ゴーレム程の怪力も無く、ゴーレム程の防御力も、有りませんでした。彼女の力は、一般的な魔人類と大差がなく、能力的には「メイド魔人」と、同等でした。そして彼女は「淫魔ドール」なので「所有者の体液」を、吸収して起動しました。


また「ネティス」は「所有者の力」を、その体液を通して、取り込むことが、出来ました。その点から行けば「メイド魔人」よりも戦闘力は、有りました。しかし本来が、戦闘系では無かったので、戦いには不向きでした。また「淫魔ドール」とは、その名前から、彼女の体内には「不遇な死」を迎えた、女型淫魔の「アニマスの核」を、所持しました。その為「淫魔の力」として「相手のバイタリティ(生命力)」を、奪うことが出来ました。


「公園寺赤郎」は「ネティス」の実情を、詳しく聞かされたので「彼女の望み」を、理解しました。彼は、彼女のことを「大事に扱おうじゃないか」と、思いました。彼女の容姿は、ドラゴン族で有る、赤郎の目から見ても、とても「魅惑的な姿」でした。彼女は「男型の心」を、魅了する「淫魔サキュレス」でした。その為、彼は彼女の姿に、心を乱されました。


「ネティス」は「後は、公園寺赤郎が、自分のことを、心から激しく愛してくれれば、今度こそ自分は、幸せに成れる。」と、思いました。彼女は、期待を込めた目で、いつまでも赤郎のことを、見て居ました。

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