おとしごろ
人がただ座るベンチに金箔のような
日差し堕つ朝九時
アンラッキーすぎるぐらいに青空
週末セスナでも眺めにゆこうか
おとなりはからっぽ
二百十日プラス一日雷警報発令中
運転はつまらない
おしりの赤い目はうろこ雲も見やしない
葬儀場唾吐いて診断書に天使描く
君の余命100ヶ月
雪を待つ過程に精液より濁った
アイス咥えてだらしねえほっぺ
ふわふわのジャンパーの赤い胸の中に
逃げおくれた春がいるよ
としごろの魔術師は雲だけを集めど
雨雪の降らせ方を聞かぬ
胃の中の細菌共溶かされたポカリを
飲むかなしさの今朝
愛されぬミニマルを愛されるまで
耳の奥へ隠すあたしのいのち
ダリを語りすぎて潰えた
タバコとあなたいちのいのちだもの
男性器を想像通りに愛撫する如く
空容器をスプーンでつつく
ただ皺の増えた手を
北の国からシロクマのため息がなぞる
しまいたてシーツがわたしをくるまり
冬なんて捨てろよと嘲笑ってる
睾丸にもたくさん神経があって
好き勝手に冬を貶す ((さむいっ))
猫同士の口づけを見てしまった日
しまむらで安いパンツを選ぶ
右肺を押しつぶす様な毛布越しに
電灯を見つめており師走
25°上げた足の隙間から見える青空
ここにいる確かな私
微かたる幸せを引き裂くやうな
"ノン"と鳴く麦酒見ゆ
バチカンへ祈る牛をもう少し
ほっておきたい いいですか